6/4(日)バルトーク弦楽四重奏曲全6曲(ピアノ独奏版)


by ooi_piano

■2005/06/27(月) Comme une boule de mercure...

c0050810_1153524.jpgオンド・マルトノの発明者モーリス・マルトノは、コダーイ・システムのような幼時教育法でも知られています。このマルトノ・システムを受講している子供たちの前で、ジョリヴェのオンド・マルトノ協奏曲を弾いてきました。ひょっとすると原田節氏(東フィルと日本初演)、市橋若菜氏に続いて、この曲を弾いたのは日本人では3人目くらいかも?



私がいまさら申し上げるまでもなく、このオンド・マルトノ協奏曲はジョリヴェの代表作のみならず、20世紀を代表する傑作です(ただし最後の2小節は許し難い)。ジュネーヴのジャック・チャムケルタン邸で聞かせてもらった初演者ジネット・マルトノの演奏はイマイチでしたが、最近CD化されたジャンヌ・ロリオの録音は見事の一語です。
ピアノ伴奏版でやる予定が、伴奏パートが鬼のように難しすぎてピアニストが見つからなかったので(自分でさえ練習する気の起こらないほどの真っ黒な譜面)、トマ・ブロック氏お手製の打ち込みCD-Rとの「共演」に・・・。オクターヴ・レバーが故障してしまったため、第1楽章冒頭やコーダその他の箇所はトランスポジション・ボタンでなんとか凌ぎました(泣)。パイプオルガンのプリンツィパルとゲダクト・ストップの併用が原則禁止なのと同様、オンド・マルトノでも楽器とレジストレーション組み合わせによっては「O」(Signal ONDES)と「C」(Signal CREUX)を併用しないほうが音がしっかりすることがあり、演奏中にその変更をやろうと思いついて、危うく第1楽章の最後で落ちかけてしまい、寿命が縮みました。

c0050810_11574794.jpg作曲者によって《水銀(メルキュール)のしずくが転がり回るように》と喩えられた第2楽章などは、恐らくELP好きには答えられないんでしょうが(私ゃELP大嫌い)、でも弾いている分には楽しかったり。 恐ろしいことにブロック氏CD-Rは全曲を容赦なく4分音符=168で通しており、特に練習番号30番から35番のあたりをレジストレーションをその都度パチパチ変えながら打ち込みに「合わせる」のは、オケに合わせて《シナファイ》を弾くより難儀でした。そもそも4分音符=168で8分の11拍子(3+3+3+2)ってのがかなり無理目だと思います。終楽章練習番号4番から8番にかけてのtrès pureと指定されたメロディーは本当に美しい。これぞオンド、って感じ。
c0050810_1205785.jpgデュシャン《泉》をめぐっての鍵谷幸信と中田喜直の不毛な対論で、「ケージはブーレーズの前ではオドオドしていたそうだが、そのブーレーズにしたってブリテンに較べればどれほどの音楽家か。」という中田氏のコメントがありました。ジョリヴェのオンド・マルトノ協奏曲が作曲・初演された1940年代後半は、ブーレーズはルノー・バロー劇団の裏方としてオンド・マルトノを弾いて糊口の資を得ていた真っ最中です。言うに事欠いてジョリヴェのことをJoli-navet(ジョリヴェの莫迦カブ野郎)と罵った若きブーレーズでしたが、ではもし彼がオンド・マルトノ協奏曲を書いたとして、ジョリヴェ作品より立派なものになったかどうか。かつてチェルニー呼ばわりしたベリオ、毛嫌いしたジョリヴェやオアナに、彼の最晩年作品がますます似通って来たのは気のせいでしょうか。
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Commented by うた夢 at 2005-07-07 11:35 x
トラックバックをいただきましたの、こちらからも送らせていただきました。

ブーレーズがオンド曲を撤回したのも、ジョリヴェに対する発言も、やはりコンプレックスを感じている故なのですかねー?

ELPお嫌いですか?…ザンネン(笑)
by ooi_piano | 2005-06-27 20:49 | Comments(1)