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ライヴ演奏動画集 (2025/04/15 update)_c0050810_06075780.jpg

【New!】
ヴィラ=ロボス:《5つの前奏曲集》 (1940/1959) [ジョゼ・ヴィエイラ・ブランダォン(1911-2002)編ピアノ版] 
ヴィラ=ロボス:《ショーロ第1番》(1920/1968) [オジマー・アマラオ・グルジェウ(1909-1992)編ピアノ版]
ヴィラ=ロボス:映画《アマゾンの森》より「感傷的なメロディ」(1958/2024) [米沢典剛編独奏版]
ヴィラ=ロボス編曲集プレイリスト
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杉山洋一:《断絶のバラード集》第2曲「ウクライナ・バラード」(2022/2024)
杉山洋一:《華(はな) ~西村朗の追憶に》(2023)(ピアノ独奏)
杉山洋一:《華(はな) ~西村朗の追憶に》(2023) (フォルテピアノ独奏)
A.ウェーベルン:《弦楽四重奏のための緩徐楽章》 (1905/2024) [米沢典剛編ピアノ独奏版]
H. マンシーニ(1924-1994): 《ひまわり》 (1970/2024) [神田晋一郎編]
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クセナキス:ピアノ協奏曲全3曲(大井浩明)プレイリスト
シューベルト編曲集プレイリスト
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●南聡(1955- ):《帽子なしで Op.63-4》(2023)
●F.グロリュー(1932-2023) :《ショパンのマズルカ風のモーツァルトのトルコ風ロンド》(1988)
■F.シューベルト:《連弾のためのソナタ ハ長調「グラン・ドゥオ」 D 812》(1824) [J.F.C.ディートリヒ/L.シュタルク編独奏版]
■F.シューベルト:《連弾のためのフーガ ホ短調 D 952》(1828) [J.F.C.ディートリヒ編独奏版]
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■F.シューベルト:弦楽四重奏曲第12番ハ短調 D 703 「四重奏断章」 (1820/2023) [米沢典剛編独奏版]
■F.シューベルト:《連禱(万霊節) D 343》 (1816/1926) [ゴドフスキー独奏版]
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■F.シューベルト:《八重奏曲 ヘ長調 D 803》(1824/1905、全6楽章) [J.B.バイス編連弾版] [+浦壁信二(ピアノ)]
■F.シューベルト:ピアノトリオ第2番 変ホ長調 D 929 より第2楽章+第3楽章 (1827/1875) [ルートヴィヒ・シュタルク(1831-1884)によるピアノ独奏版]
■F.シューベルト:《弦楽三重奏曲 D 471》(1816/2023) [米沢典剛によるピアノ独奏版]
■F.シューベルト:《さすらい人 D 493》(1816/1981) [フリードリヒ・グルダによるピアノ独奏版]
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■メンデルスゾーン(1809-1847):《弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20》より終楽章「プレスト」 (1825) [作曲者編連弾版] [+浦壁信二(ピアノ)]
■米津玄師(1991- ):《KICK BACK》(2022) [金喜聖(キム・ヒソン)編曲による連弾版] [+浦壁信二(ピアノ)]

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一般社団法人全日本ピアノ指導者協会[PTNA]のYouTubeアカウント(+α)で公開されている動画一覧 大井浩明(ピアノ/フォルテピアノ/クラヴィコード/オルガン)

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【作曲家五十音順】
【あ】
■伊藤謙一郎(1968- ):《アエストゥス》(2018)
■入野義朗(1921-1980):《三つのピアノ曲》(1958)
奥村一(1925-1994):《さくらさくら》(1963)
■落晃子(1969- ):《八犬伝》(2021)
■P.オリヴェロス(1932-2016):《ノルウェーの木》(1989)
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【か】
■G.カペレン (1869-1934) :《君が代》(1904)
■姜碩煕(カン・スキ)(1934-2020):《ゲット・バック》(1989)
■喜多郎(1953- ):《絲綢之路》(1980)
■I.クセナキス(1922-2001):《シナファイ》(1969) (i) NJP 1996 Jul. - (ii) KSO 1996 Nov.(前半後半)- (iii) LPO 2002 Mar.  《エリフソン》(1974) LPO 2004 Jun.  《ケクロプス》(1986) TPO 2022 Feb.
■桑原ゆう(1984- ):《花のフーガ》(2019)
■J.コズマ(1905-1969):《枯葉》 (1945/1993)[武満徹編]
■L.ゴドフスキー(1870-1938):《天国のアナクレオンへ》(1780/1921)
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【さ】
■坂本龍一(1952- ):《エナジー・フロー》(1999)
■佐村河内守(新垣隆)(1970- ):《ドレンテ》(2011)
■G. シェルシ(1905-1988):《アデュー(お別れ)》(1978)
■清水卓也(1986- ):《町田のヤンキー》(2011)
■F.シューベルト(1797-1828):《弦楽三重奏曲 D 471》(1816/2023) [米沢典剛によるピアノ独奏版]  《さすらい人 D 493》(1816/1981) [フリードリヒ・グルダ編独奏版]  《連禱(万霊節) D 343》 (1816/1926) [ゴドフスキー独奏版] 弦楽四重奏曲第12番ハ短調 D 703 「四重奏断章」 (1820/2023) [米沢典剛編独奏版] 《八重奏曲 ヘ長調 D 803》(1824/1905、全6楽章) [J.B.バイス編連弾版] [+浦壁信二(ピアノ)]  《連弾のためのソナタ ハ長調「グラン・ドゥオ」 D 812》(1824) [J.F.C.ディートリヒ/L.シュタルク編独奏版] ピアノトリオ第2番 変ホ長調 D 929 より第2楽章+第3楽章 (1827/1875) [L.シュタルク編独奏版] 《連弾のためのフーガ ホ短調 D 952》(1828) [J.F.C.ディートリヒ編独奏版]
■R.シューマン(1810-1856):《夕べの歌 Op.85-12》(サン=サーンス編)
■D. D. ショスタコーヴィチ(1906-1975):《革命の犠牲者を追悼する葬送行進曲》(1918)  オペラ《ムツェンスク郡のマクベス夫人 Op.29》より第2幕間奏曲「パッサカリア」 (1932) [作曲者編独奏版]  《ピアノ五重奏曲 Op.57》より第2楽章「フーガ」(1940/2022) [米沢典剛編独奏版]  オラトリオ《森の歌 Op.81》より第7曲「栄光」(1949/2021) [米沢典剛編独奏版)  映画音楽《忘れがたき1919年》より「クラスナヤ・ゴルカの攻略」Op.89a-5 (1951/2022) [米沢典剛編2台ピアノ版] [+浦壁信二(pf)]  交響曲第10番第2楽章 Op.93-2 (1953) [作曲者による連弾版] [浦壁信二(pf)]  交響曲第13番《バビ・ヤール》第5楽章「出世」(1962/2022) [米沢典剛編独奏版] 《弦楽四重奏曲第15番 Op.144》より第1楽章「エレジー」(1974/2020) [米沢典剛編独奏版]
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■M.スコリク(1938-2020):《メロディ》(1981)
■鈴木悦久(1975- ): 《クロマティスト》(2004)  《ピアノの練習》(2019)
■棚田文紀(1961- ):《前奏曲》(2007/18)
■田村文生(1968- ):《きんこんかん》(2011)
■P.チャイコフスキー(1840-1893) :《弦楽四重奏曲第1番ニ長調 Op.11 第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」》(1871/73) [K.クリントヴォルト編曲ピアノ独奏版]  交響曲第2番《ウクライナ》より第2楽章「行進曲」(1872/1942)[S.フェインベルク編独奏版]  歌曲集《6つのロマンス Op.16》より「ゆりかごの歌」「おお、あの歌を歌って」「それが何?」 (1873、作曲者自身によるピアノ独奏版) 《6つの小品 Op.19》より第4曲「夜想曲」(1873) 《「四季」(12の性格的描写) Op.37bis》(1876) 《弦楽セレナーデ》より第3楽章「エレジー」 Op.48-3(1880/1902) [M.リッポルトによるピアノ独奏版] 《子供のための16の歌 Op.54》より「春」「私の庭」「子供の歌」 (1881-83/ 1942) [S.フェインベルクによる独奏版] 《即興曲(遺作)》(1892/1894) [タネーエフ補筆]
■R.ディットリヒ(1861-1919):《さくら》(1894)
■寺内大輔(1974- ):《地層》(2014)
■C.ドビュッシー(1862-1918): 《舞踊詩「遊戯」》(1912/2005、J.E.バヴゼ編2台ピアノ版)[+浦壁信二(ピアノ)]  《白と黒で》(1915) [+浦壁信二(ピアノ)]
■冨田勲(1932-2016):《きょうの料理》(1957)
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【な】
■中川真(1951- ):《非在の声》(2020)
■長瀬弘樹(1975-2012):《見えない星》(2007)
■信時潔(1887-1965):《あかがり》(1920)
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【は】
■S.バーバー(1910-1981) (米沢典剛編):《弦楽四重奏曲第1番第2楽章「アダージョ」》(1936/2017)
■林廣守(1831-1896):《君が代》(1880) ノエル・ペリ(1865-1922)編曲(1905)  A.グラズノフ (1865-1936) [Op.96、米沢典剛編ピアノ版](1915/2019)  河村光陽(直則)(1897-1946):《君が代踊り》(1941)  溝部國光(1908-1996)編(1971)   小弥信一郎(1950- )編(1979)  三宅純(1958- )編(2016)  吉田光貴(1994- )編(2016)  久米由基(1960- )編(2018)  松尾賢志郎(1995- )編(2019)
■平井(保喜)康三郎(1910-2002): 幻想曲「さくらさくら」(1971)
■M.d.ファリャ(1876- 1946):《ヴォルガの舟歌》(1922)
■G.フォーレ(1845-1924):《さようなら Op.21-3》 (1878/2021) [横島浩編ピアノ独奏版] 《バイロイトの思い出 ~ワーグナー「ニーベルングの指環」のお気に入りの主題によるカドリーユ形式の幻想曲》(1880、A.メサジェ採譜)  《月の光》(1887/1927)(M.ボニによるピアノ独奏版)+C.ドビュッシー(1862-1918):「仮装舞踏組曲」より《月の光》(1880)  《消え去らぬ香り Op.76-1》 (1897/2021) [横島浩編ピアノ独奏版]  パリ音楽院ピアノ科初見試験課題曲 [女子学生用(1899)/男子学生用(1901)] 歌劇《ペネロープ》第1幕への前奏曲 (1913、作曲者編)  《チェロ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.109》(1917)(全3楽章) 〔+上森祥平(チェロ)〕  《天守夫人(塔の奥方) Op.110》(1918) (ピアノ独奏版)  《幻想曲 Op.111》(1918、作曲者による2台ピアノ版) [+浦壁信二(ピアノ)]  《平和が来た Op.114》(1919/2021) [横島浩によるピアノ独奏版]  組曲《マスクとベルガマスク》 Op.112 (1919/2018) [米沢典剛編ピアノ独奏版] 《チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.117》(1921)(全3楽章) 〔+上森祥平(チェロ)〕 「ディアーヌよ、セレネよ Op.118-3」(1921) ~歌曲集《幻想の水平線》より  《ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120》(米沢典剛によるピアノ独奏版)(1923/2018) 《弦楽四重奏曲 Op.121》(G.サマズイユ編独奏版)
■G.プッチーニ(1858-1924)(=R.T.カッツ編):《弦楽四重奏曲 「菊」 嬰ハ短調》(1890/2017)
■J.ブラームス(1833-1897):交響曲第2番 Op. 73 第2楽章(1877/1915) [M.レーガー編独奏版]  《野の寂しさ Op.86-2》(1881/1907) [M.レーガー編独奏版]  《セレナード Op.106-1》(1885/1907) [M.レーガー編独奏版]  交響曲第4番 Op. 98 第2楽章 (1886/1916) [M.レーガーによるピアノ独奏版]  《メロディのように Op.105-1》(1888/1912) [M.レーガーによるピアノ独奏版]  《我が眠りは一層浅くなり Op.105-2》(1888/1906) [M.レーガー編独奏版] 《弦楽五重奏曲第2番 ト長調 Op.111》(1890/1920) [P.クレンゲルによるピアノ独奏版] 《クラリネット五重奏曲 Op.115》(1891/1904)[P.クレンゲルによるピアノ独奏版]  クラリネットソナタ第2番(Op.120-2) 第1楽章 (1894/2021) [米沢典剛編ピアノ独奏版] 《4つの厳粛な歌 Op.121》(1896/1912) [M.レーガーによるピアノ独奏版]  《一輪のバラが咲いて Op.122-8》(1896/1902) [ブゾーニ編独奏版]
■C.フランソワ (1939-1978)/J.ルヴォー(1940- ):《マイ・ウェイ》(夏田昌和によるピアノ独奏版)(1967/2014)
■L.ブローウェル(1939- ):《丘の愚者》(1976)
■L.v.ベートーヴェン(1770-1827): ソナタ第20番第2楽章(1795)  交響曲第3番《英雄》第1楽章(1803)(F.リストによる独奏版、前半後半) ソナタ第23番《熱情》第1楽章(1806)  弦楽四重奏のための《大フーガ》(1826)(L.ヴィンクラーによる独奏版、前半後半)(全てフォルテピアノ独奏)
■G.ペッソン(1958- ):《マストの上で(水兵の歌)》(2009)

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【ま】
■松下眞一(1922-1990): 《スペクトラ第4番》(1971)
■松平(工藤)あかね(1972- ):《ルグリにリフト》(2007)[+柴田暦(vocal)]
■G.マーラー(1860-1911) (米沢典剛編): 《花の章》(1888/2017)
■H.マンシーニ(1924-1994): 《ひまわり》 (1970/2024) [神田晋一郎編]
■三木たかし [渡邊匡] (1945-2009):《夜桜お七》(1994) [後藤丹編ピアノ独奏版]
■箕作秋吉(1895-1971):《さくらさくら Op.16-2》(1940)
■O.メシアン(1908-1992)(=米沢典剛編):《星の血の悦び》(1948) [+浦壁信二(ピアノ)]
■F.メンデルスゾーン(1809-1847):《弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20》より終楽章「プレスト」 (1825) [作曲者編連弾版] [+浦壁信二(ピアノ)]
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【や】
■吉本光蔵(1863-1907):《君が代行進曲》(ca.1902)
■米沢典剛(1959- ):《君が代》(2021)
■米津玄師(1991- ):《KICK BACK》(2022) [金喜聖(キム・ヒソン)編曲による連弾版] [+浦壁信二(ピアノ)]
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【ら】
■L.J.A.ルフェビュール=ヴェリー(1817-1869):《H.ルベールの歌劇「ガイヤールのおやじ」による華麗な二重奏曲》(1852)[+金澤攝(ピアノ連弾)]
■C.ルル―(1851-1926):《分列式行進曲(扶桑歌)》(1886)
■M.レーガー(1873-1916):《クリスマスの夢~「聖しこの夜」による幻想曲》(1902) 《マリアの子守歌 Op.76-52》 (作曲者編ピアノ独奏版)(1904/1915) 《夜の歌 Op.138-3》(1914/2019) [ヴェンデリン・ビツァン編ピアノ独奏用パラフレーズ]  《ドイツ国歌によるフーガ》(1916、遺作)
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【わ】
■若尾裕(1948- ):《さりながら雪》(2019)
■R.ワーグナー(1813-1883):歌劇《ローエングリン》第1幕前奏曲(1848/2017)(B.ブライモ編) 歌劇《ローエングリン》第2幕より「エルザの大聖堂への入場」(F.リスト編) ヴェーゼンドンク歌曲集(1858/1917) [A.シュトラダルによるピアノ独奏版]  《トリスタンとイゾルデ》より「愛の場面」(1859/65)(タウジッヒ編) 《ジークフリート牧歌》(1870/1973) [G.グールド編ピアノ独奏版]  舞台神聖祝典劇『パルジファル』第1幕前奏曲(1857-82/1882)(A.ハインツ編) 《エレジー WWV93》(1881)
渡辺香津美(1953- ):《アストラル・フレイクス》(1980)


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# by ooi_piano | 2025-04-16 05:37 | 雑記 | Comments(0)
《先駆者たち Les prédécesseurs IV》
4,000円(全自由席)
お問い合わせ poc@artandmedia.com (アートアンドメディア株式会社)

2025年3月29日(土)POC第56回公演 〈投機者II  ショスタコーヴィチ〉 [2025/03/16 update]_c0050810_00023343.jpg

【POC第56回公演】
2025年3月29日(土)17時開演(16時半開場) 松涛サロン
〈投機者Ⅱ ショスタコーヴィチ ~没後50周年記念

P.I.チャイコフスキー(1840-1893):《管弦楽組曲第1番 ニ短調 Op.43》より「フーガ」(1879/1886) [G.L.カトワール(1861-1926)による独奏版/日本初演] 4分
D.D.ショスタコーヴィチ(1906-1975): 24の前奏曲とフーガ Op.87 (1951)
 第1番 ハ長調 - 第2番 イ短調 - 第3番 ト長調 - 第4番 ホ短調  20分
 第5番 ニ長調 - 第6番 ロ短調 - 第7番 イ長調 - 第8番 嬰ヘ短調  27分
 第9番 ホ長調 - 第10番 嬰ハ短調 - 第11番 ロ長調 - 第12番 嬰ト短調  25分

  (休憩 15分)

鈴木悦久(1975- ):《ドミニサイド・ダンス Dominicide Dance》(2024、委嘱初演) 10分
D.D.ショスタコーヴィチ(1906-1975): 24の前奏曲とフーガ Op.87 (1951)
 第13番 嬰ヘ長調 - 第14番 変ホ短調 - 第15番 変ニ長調 - 第16番 変ロ短調  26分
 第17番 変イ長調 - 第18番 ヘ短調 - 第19番 変ホ長調 - 第20番 ハ短調  24分
 第21番 変ロ長調 - 第22番 ト短調 - 第23番 ヘ長調 - 第24番 ニ短調  27分

[使用エディション:ショスタコーヴィチ新全集版(2015)]


(※)2023年1月芦屋公演 https://ooipiano.exblog.jp/32821983/

(#)ショスタコーヴィチのフーガ作品等 演奏動画集 https://www.youtube.com/playlist?list=PLiLOOaD1cYsNXuSf0fkLeUVmFY78UTNLo
 交響曲第10番第2楽章 Op.93-2 (1953) [作曲者による連弾版]、映画音楽《忘れがたき1919年》より「クラスナヤ・ゴルカの攻略」Op.89a-5 (1951/2022) [米沢典剛編2台ピアノ版]、交響曲第13番《バビ・ヤール》第5楽章「出世」(1962/2022) [米沢典剛編独奏版]、オラトリオ《森の歌 Op.81》より第7曲「栄光」(1949/2021) [米沢典剛編独奏版)、オペラ《ムツェンスク郡のマクベス夫人 Op.29》より~第2幕第4場から第5場への間奏曲「パッサカリア」 (1932) [作曲者編独奏版]、《ピアノ五重奏曲 Op.57》より第2楽章「フーガ」(1940/2022) [米沢典剛編独奏版]、《弦楽四重奏曲第15番 Op.144》より第1楽章「エレジー」(1974/2020) [米沢典剛編独奏版]、《革命の犠牲者を追悼する葬送行進曲》(1918)

2025年3月29日(土)POC第56回公演 〈投機者II  ショスタコーヴィチ〉 [2025/03/16 update]_c0050810_00041453.jpg


鈴木悦久:《ドミニサイド・ダンス Dominicide Dance》(2024) 
2025年3月29日(土)POC第56回公演 〈投機者II  ショスタコーヴィチ〉 [2025/03/16 update]_c0050810_04431636.jpg
 矛盾を抱えたまま進めば、いずれ躓く。敬愛と忠誠は、やがて支配と従属へと変わり、脆い感情は憎しみに侵されていく。だが、バランスを取ることは簡単ではない。どちらかに傾いた天秤は、いずれ底を打ち、安定を求める。従属の居心地の良さを知りながらも、唯一の抗いは、振り切れた針の先に目盛りがないこと。その先には、計ることのできない関係の重みがある。
 誘惑の影を踏みながら踊る《ドミニサイドダンス》。その先に待つのは、陶酔した醜悪な夜明けだ。均衡が崩れるとき、壊れるのはどちらなのか。
 光と闇の境界線が、新たな救いを映し出す。だが、それを照らす者の正体を知らない今だけが、破綻せずにいられる瞬間なのかもしれない。(鈴木悦久)




2025年3月29日(土)POC第56回公演 〈投機者II  ショスタコーヴィチ〉 [2025/03/16 update]_c0050810_23554431.jpg鈴木悦久 Yoshihisa SUZUKI, composer
 1975年生まれ。昭和音楽大学で打楽器を、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)で作曲を学ぶ。1998年から打楽器奏者として、2004年から作曲とメディアアートを主軸とした活動を展開。ISEA2004(フィンランド)、Sounding Taipei2004(台湾)、岐阜おおがきビエンナーレ2008(岐阜)、ノイケルン48時間(ドイツ)他にて作品発表。アルスエレクトロニカ2006デジタルミュージック部門入賞(オーストリア)。現在、名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科兼大学院メディア造形研究科准教授。JSSA先端芸術音楽創作学会会長。JSEM日本電子音楽協会理事。

【主要作品】
極東のうた (2003) [ヴィブラフォン二重奏]
Ring-Quartet (2003) [マリンバ四重奏]
Sein und Zeit#2 (2004) [コンピュータ, 打楽器ソロ] w/赤松正行
TeAshi (2004) [打楽器六重奏]
Marimba Pleasure (2008) [マリンバ二重奏]
Suite for Disklavier (2008) [コンピュータ, 自動演奏ピアノ]
Adagio for Disklavier (2009) [コンピュータ, 自動演奏ピアノ]
h-ear (2009) [ミキシングボード]
干渉 (2010) [ミキシングボード]
Etude (2012) [フィクストメディア音楽]
風の共鳴 (2013) [コンピュータ, フルート]
Feedback Trio (2014) [フィクストメディア音楽]
Grain Flakes (2016) [フィクストメディア音楽]
Grain (2017) [コンピュータ, カリンバ]
Grain #2 “Overlay” (2018) [コンピュータ, カリンバ, オーディオビジュアル]
ピアノ練習 (2019) [ピアノソロ]
スケーラブル カウンターライン - 打楽器奏者とコンピュータのための – (2019) [コンピュータ, 鍵盤打楽器ソロ]
review (2020) [コンピュータ, 打楽器ソロ]
Conversation (2020) [コンピュータ, 小太鼓, 自動演奏ピアノ]
ELEVEN (2020) [フィクストメディア音楽]
monologue for Percussionist (2021) [コンピュータ, 小太鼓]
極夜 – 白夜 (2021) [フィクストメディア音楽]
夜の地球儀 (2021) [フィクストメディア音楽]
Deastema 2 (2021) [コンピュータ, 打楽器, ピアノ] w/ 水野みか子
ピアノの庭遊び (2022) [コンピュータ, ピアノ]
トラックメイク (2023) [コンピュータ]
Improvisation from Today (2024) [モジュラーシンセサイザー]


鈴木悦久作品プレイリスト
1. Electronic Garden for (sound) Object (2023) [コンピュータ, ブザー, ピアノ]
2. ピアノ練習 (2019) [ピアノソロ]
3. Eleven (2021) [フィクストメディア音楽]
4. Marimba Pleasure (2008) [マリンバ二重奏]
5. Yoshihisa Suzuki solo Performance @Berlin Gallery ZERO (2007) [No input mixing board]
6. 自動演奏ピアノのためのアダージオ (2009) [コンピュータ, 自動演奏ピアノ]
7. 自動演奏ピアノのための組曲 (2008) [コンピュータ, 自動演奏ピアノ]
8. クロマティスト - VS Version (2005) [コンピュータ, 自動演奏ピアノ]
9. 集・tsu-do-hi (2004) [ビブラフォン二重奏]
10. 環・カルテット (2003) [マリンバ四重奏]
11. 極東のうた (2003) [ビブラフォン二重奏]


2025年3月29日(土)POC第56回公演 〈投機者II  ショスタコーヴィチ〉 [2025/03/16 update]_c0050810_20142403.jpg



# by ooi_piano | 2025-03-14 20:14 | POC2024 | Comments(0)
3月23日(日)ジョアン・ミロ展コンサート@東京都美術館(2025/3/18 update)_c0050810_00501219.jpg

東京・春・音楽祭 SPRING FESTIVAL IN TOKYO
ミュージアム・コンサート
「ミロ展」記念コンサート Vol.3
2025年3月23日(日)14時開演(13時半開場)
東京都美術館 講堂 https://www.tobikan.jp/


【現代音楽とミロ ~ミロに影響を受けた二人の作曲家】

■ジョン・ケージ(1912-92):《易の音楽》(1951) [全4巻]
John Cage (1912–92) : Music of Changes (1951)

■武満徹(1930-1996):《クロッシング》(1962、独奏版世界初演
Toru Takemitsu (1930-1996) : Crossing for pianist(s) (1962, World Premiere of solo version)

■川島素晴(1972- ):《夢の迷宮 ~武満徹「ミロの彫刻のように」断片(1995)に基づく》(2025、委嘱新作/世界初演
Motoharu Kawashima (1972–) : "Labyrinth of Dreams - after Toru Takemitsu's 'Comme la sculpture de Miró' ” (2025, Commissioned work / World Premiere)

ピアノ:大井浩明
Piano : Hiroaki Ooi

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川島素晴:《夢の迷宮 ~武満徹「ミロの彫刻のように」断片(1995)に基づく》(2025、委嘱新作・世界初演)
 武満徹(1930-1996)は、亡くなる前年の1995年に、自身の別荘と同じ御代田の地に開館したメルシャン軽井沢美術館(2011年閉館)の最初の展覧会、「ミロ、夢の迷宮」展を鑑賞した。10月5日に癌の闘病から退院し、御代田の別荘に行ってから会期末11月19日まで約1ヶ月の間のどこかで、無理を押してでも観たのだ。そしてそこで観たミロ晩年の彫刻群に触発され、フルートとハープの二重協奏曲《ミロの彫刻のように》を作曲しはじめていた。「La lune(月)」と名付けられた第1楽章の冒頭、たった6小節しか存在しないが、衰えのない筆致で詳細がメモされており、卓抜で繊細なオーケストレーションの構想が垣間見える。その先を武満に成り代わって書き継ぐとすればおこがましいが、この断片から自由に夢想することなら許されよう。
 武満は前述の展覧会に接してエッセイ『晩年のミロの陰影』を遺しており、かねてよりミロに傾倒していた武満が、このときは「個体としての魅力を湛えたそれぞれの色彩が私が思っていたほど単純なものではなく、深い多義性を秘めた、なにか不可思議な有機体のように感じられた」とのこと。これはそのまま、武満の晩年の音楽が目指した姿に重なる。その他、明るさの中の翳りにも言及があり、恐らくは死を意識していたであろう武満自身の晩年をミロの晩年に重ねたこれら文章の全てをここに引用することはできないが、私自身はその全文を噛み締めながら、そして「ミロ、夢の迷宮」展のカタログを観ながら、音を紡いだ。
 なお、「迷宮」とは、ミロが晩年にマーグ財団の庭に創った、迷路のように無数の陶板や彫刻で満たされた空間である。一方、武満は、しばしば夢を自身の音楽構造になぞらえた。武満が観た展覧会名「夢の迷宮」は、そのまま、武満作品の音楽体験とも一致するだろう。武満が遺した断片にはじまり、迷宮に迷い込むかのように、夢想しつつ進む。(川島素晴)


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川島素晴 Motoharu Kawashima, composer
 東京芸術大学、同大学院修士課程にて作曲を近藤譲、松下功に師事。1992年秋吉台国際作曲賞、1996年ダルムシュタット・クラーニヒシュタイン音楽賞、1997年芥川作曲賞、2009年中島健蔵音楽賞、2017年一柳慧コンテンポラリー賞等を受賞。作品は国内外で演奏されており、2024年には多賀城創建1300年を記念した委嘱作品、オペラ《いしぶみの譜-多賀城創世記ー》を自らの指揮により初演した。「アンサンブル東風」の作曲/指揮メンバーとしての活動の他、指揮、ピアノ、打楽器、声等、自作や現代音楽作品を中心に、様々な演奏活動にも携わっている。「いずみシンフォニエッタ大阪」コンサート・アドバイザー等、現代音楽の企画・解説に数多く携わり、2016年9月にはテレビ朝日系列「タモリ倶楽部」の現代音楽特集にて解説者として登壇。以後、様々な番組に出演してきた。(一社)日本作曲家協議会副会長。(一社)日本音楽著作権協会正会員。




◆野々村禎彦《ジョン・ケージ素描》()(2012)


ジョン・ケージ《易の音楽》(1951)
 《易(えき)の音楽 Music of Changes》というタイトルは、古代中国の占辞集『易経』の英訳〈変化の本 Book of Changes〉の捩(もじ)りである。音/ノイズ、強弱、テンポ、持続、同時に起こる出来事(沈黙/単音/集合体/星座)の重なり具合、といった諸要素が、易に由来する図表と、三枚の硬貨(change)を同時に投げて裏の数から卦を立てる六爻占術の擲銭法によって、偶有的に作曲された。図表には、使い捨てされ流転する要素(変易/change)と、繰り返し使われる要素(不易)が含まれる。
 不確定性の先行例としては、ムジカ・フィクタ(半音階的変位)を奏者に委ねたJ.オケゲム《お好みの旋法によるミサ》や、作曲法を知らなくても無限に曲を生成出来る《音楽のサイコロ遊び》(モーツァルトK.516fはその一例)がある。ケージ自身は、個人の嗜好や芸術の文脈・伝統からの解放を宣言しているが、いわゆる結合術(ars combinatoria)を完全に度外視しているわけでは無い。
 1950年初頭、ケージがブーレーズ《第2ソナタ》の初演をしてくれる代役ピアニストを探していたところ、モートン・フェルドマンからデイヴィッド・チューダーを紹介された。1950年12月18日、ブーレーズのオリジナル自筆譜をケージが譜めくりする中、チューダーは《第2ソナタ》のアメリカ初演を行い、大きな反響を呼んだ。その翌年(1951年)の3月、クリスチャン・ウォルフから譲られた『易経』英語版を基に、ケージは《易の音楽》第1巻の作曲に着手する。「好きな音だけを選んでいると、ある種の甘さが出て来る事に気付きました・・・砂糖が多すぎるのです」「実際『易経』は、どうしても良い答えを得たいと思う人達には、全く悲しい運命を告げる。もし占筮によって不幸になったり、結果に満足出来ないとしても、少なくともそれを受け入れることによって自らを改め、自らを変える機会をもつことが出来る」。
 師カウエルの提案に従い、12台のラジオ受信機のための《心象風景第4番》の作曲を暫く平行させることで、ケージは容赦ない易の結果に耐えた。同年5月2日にニューヨーク・コロンビア大学で《心象風景第4番》が初演される。《易の音楽》第1巻はその直後、5月16日にニューヨークで完成した。ただちに献呈者チューダーによって、7月5日にコロラド州ボルダーで第1巻のみ初演。その翌週の13日の金曜日、ロサンゼルスで師シェーンベルクが他界する。第2巻は8月2日、第3巻は10月18日、第4巻は12月13日に脱稿。その19日後、1952年1月1日にニューヨーク・チェリーレーン劇場で、チューダーによる全曲初演が行われた。以降、チューダーとの協働作業が長く続くことになる。
 「演奏家は己を捨て、によって導かれた『フランケンシュタインの怪物』との非人間的な一体化を要請される」(1958年、ダルムシュタットでの講演)が、一方、「多くの箇所で記譜が不合理(irrational)と思われるだろう。その場合、奏者は自身の裁量(discretion)を行使してよい。」(1960年、Peters社出版譜序文)とケージは付記している。





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# by ooi_piano | 2025-03-12 19:57 | コンサート情報 | Comments(0)


Hiroaki Ooi Matinékoncertek
Liszt Ferenc nyomában, látomásai és vívódásai

松山庵 (芦屋市西山町20-1) 阪急神戸線「芦屋川」駅徒歩3分
4000円(全自由席)
〔要予約〕 tototarari@aol.com (松山庵)

後援 全日本ピアノ指導者協会(PTNA) []

チラシ 



【第4回公演】2025年3月9日(日) 15時開演(14時45分開場)

交響詩《前奏曲》 S.511a (1855/85) [作曲者/K.クラウザー編独奏版] 17分
 [ I.星辰 - II.愛 - III.嵐 - IV.田園画 - V.勝利 ]

ハンガリー狂詩曲第12番 S.244-12 (1847) 10分
 [ Introduzione, Mesto - Allegro zingarese - Stretta, Vivace ]

パガニーニ《ラ・カンパネラ》による華麗な大幻想曲 S.420 (1832) 15分
 [ Excessivement lent - Tema, Allegretto - Variations à la Paganini - Finale di bravura / Ritornello ]

 ---
ベッリーニ《ノルマ》の回想 S.394 (1841) 16分
 [ 第1幕第1場 ドルイド教徒の合唱「ノルマが来るぞ」 - オロヴェーゾ「あの丘へ登れ、おおドルイド教徒たちよ」 - 同「御身の予言の力を」 - 第2幕第3場 ノルマ「ああ!あの子らを犠牲にしないで下さい」 - ノルマ「あなたが裏切った心が」 - ノルマ「父上 泣いておられるのですか?」 - 第2幕第2場 ノルマ「戦だ、戦だ!」 ]

マヌエル・ガルシア《計算高い詩人》の「密輸業者の私は」による幻想的ロンド S.252 (1836、ジョルジュ・サンドに献呈) 11分
 [ Rondo, molto animato quasi presto - Maggiore - Con moto - Adagio fantastico ]

マイアベーア《預言者》の再洗礼派のコラール「我らに救いを求めし者たちに(アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム)」による幻想曲とフーガ S.259 (1850/97) [ブゾーニ編独奏版] 25分
 [ I. 幻想曲 - II. アダージョ - III. フーガ ]

 ---
オベール《ポルティチの唖娘》による華麗なるタランテラ S.386 (1869) 10分
 [ 導入部 - 第3幕「タランテラ」 - 第4幕終曲「Allegro marziale」 - Stretta, vivace assai ]

メンデルスゾーン《真夏の夜の夢》の「結婚行進曲」と「妖精の踊り」 S.410 (1850) 10分

ハンガリー狂詩曲第15番 「ラコッツィ行進曲」 S.244-15 (1853) 6分
 [ Allegro animato, tumultuoso - Tempo di marcia animato - Un poco meno allegro ]

ピアノ協奏曲第2番(独奏用初期稿) S.524a (1839) 19分
 [ Lento assai, Adagio - Presto agitato assai - Stretto ]


[使用エディション:新リスト全集 (1972/2019、ミュジカ・ブダペシュト社)]


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リストと交響詩―――山村雅治

 フランツ・リストは19世紀最高のピアニストとして名高い。同時にピアノ音楽に超絶技巧を用いた作曲家としても。大きな手をもち、力に充ちたな演奏とすぐれた技術で聴衆の心を鷲づかみにする彼の演奏会にはいつもあふれるほど人が押し寄せ、偶像的な存在だった。1848年からはワイマール宮廷楽長に就任した。リストはワイマールで作曲に専念した。ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとしてのキャリアを終え、指揮活動と作曲に専念するようになった。ワイマール時代は作曲家としては最も活躍した時代だ。ほとんどの交響曲や交響詩など管弦楽、合唱のための作品の大部分はこの時代に作られている。過去に作った作品を大規模に改訂することも多かった。
 ベルリオーズが《幻想交響曲》で表現した標題音楽をさらに凝縮した交響詩を創始し、ワーグナーらとともに新ドイツ派と呼ばれた。音楽史における進歩主義的発想と、音楽と文学の相互関係を力説した。彼らはよく本を読んだ。神話や聖書、ギリシャ・ローマの古典からシェイクスピア、またゲーテをはじめとする彼らの時代の文学まで。 
 「交響詩」という形式は音楽史上リストが初めて提唱した。1854年4月19日の《タッソー》上演パンフレットでその語が使われた。それまでの「交響曲」に対し、管弦楽曲にそれに対応する詩を結びつけ、詩の形式と音楽の形式を融合させることで、作曲家の想念が聴き手により正確に伝わるようになるとリストは考えた。リストが創始した交響詩は、その後もスメタナやリヒャルト・シュトラウスをはじめとする多くの作曲家によってさまざまな作品が花開くジャンルとなった。

 《レ・プレリュード》は、リストが作曲した13曲の交響詩のなかで最も演奏される機会の多い曲。『レ・プレリュード』は日本では「前奏曲」と訳される。フランス語の原題は〈Les Préludes〉であり、複数形(単数ならLe Prélude)。この理由は、冒頭に掲げた標題の一部のように、リストは「人生は死後に対する前奏曲である」と捉え、数あまたの人生をあらわしているからだ。正式名称として「ラマルティーヌの詩による交響詩《レ・プレリュード》」と記している。アルフォンス・マリー・ルイ・ド・プラ・ド・ラマルティーヌ(Alphonse Marie Louis de Prat de Lamartine、1790年10月21日 - 1869年2月28日)は、フランスの詩人、著作家、政治家。ロマン派の代表的詩人で、フランスにおける近代抒情詩の祖といわれ、ヴェルレーヌや象徴派にも大きな影響を与えている。また2月革命前後に政治家としても活躍した。
 作曲の経緯はすこし複雑だった。もともとは交響詩としてではなく、フランスの詩人ジョゼフ・オートラン(1813-1877)の詩に基づく男声合唱曲《四大元素》の序曲として作曲された。《四大元素》は「北風」、「大地」、「波」、「星々」の四部からなる合唱曲で、それらには歌詞がついていた。たとえば、《レ・プレリュード》の冒頭に登場し、最も重要な主題は《四大元素》の「星々」にもみられ、「hommes pars sur ce globe qui roule(この回転する地球上に散らばっている人間たち)」という歌詞が対応している。ところが、リストは何らかの理由でこの序曲を《レ・プレリュード》という独立した交響詩として発表した。標題もオートランの詩からではなく、オートランの師にあたるアルフォンス・ド・ラマルティーヌの詩から着想を得て、自身で新しく書き直したものだ。
 《四大元素》は男声合唱に、ピアノまたはオーケストラによる伴奏を伴う。交響詩《前奏曲》の原型が聴こえる。もちろん異なる旋律も多いが、全体的には交響詩《前奏曲》の合唱曲版という感がある。交響詩《前奏曲》も、人生を4つの時期に分けて描き出すような作品だ。静かな導入、嵐、憩い、勝利。オートランとラマルティーヌ。作詞者もタイトルも異なるが、リストの作曲の目的は、人生、あるいは世界といったものを構成する要素をそれぞれ音楽で表現し、統一的な世界観を描き出すことだった。

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 《レ・プレリュード》はリスト自身の記した標題に基づき、「緩・急・緩・急」と続く4部からなる。以下のそれぞれの部の冒頭に、標題の対応する部分を示す。

第1部 人生のはじまり─愛
 「─われわれの人生とは、その厳粛な第1音が死によって奏でられる未知の歌への前奏曲にほかならないのではないか? 愛はあらゆる存在の夜明けの光である」。
 弦楽器の疑問符のようなピチカートに続き、重要な主題が弦楽器のユニゾンで示される。この主題は全曲を通してさまざまなかたちに変奏されていく。初めは生まれたてのように少し不安げに聞こえるが、だんだんと跳躍の幅を広げて緊張を増していき、頂点で12/8拍子に移行して低音楽器群の朗々とした歌へと引き継がれる。
 そののち、冒頭の主題が穏やかなかたちに変形されてチェロ、ホルンに現れ、人生のはじまりの暖かい時期を示すようだ。続いてヴィオラとホルンが奏でる愛のテーマもやはり冒頭の主題の変形である。これは《四大元素》の「大地」でも歌われる。

第2部 嵐
 「─しかしどんな運命においても、嵐によって、幸せな幻影はそのひと吹きで吹き飛ばされ、祭壇は雷でこわされてしまう」。
 チェロによって弱音で冒頭の主題が奏でられるが、ここでは嵐を予感させる仄暗い色である。弦楽器のトレモロや半音階での昇降、減七の和音が嵐への緊張感を高める。
 嵐がはじまるとトロンボーンが大きな風圧をもって冒頭の主題を鳴らし、たたきつける雨粒や雷のような鋭い音型も各楽器に現れる。そして、ホルン、トランペットがファンファーレのような音型を奏し、嵐の激しさは頂点に達する。

第3部 田園
 「─嵐によって深く傷つけられた魂は、田園の静かな生活の中で過ぎ去った嵐の記憶を慰めようとする」。
 嵐が収まり、穏やかにオーボエとヴァイオリンがテーマを再現する。そして6/8拍子となりホルンから木管楽器群へと素朴な旋律があらわれ、愛のテーマも再び登場してともにうたい、のどかな田園風の音楽となる。

第4部 戦い
 「─しかし人は自然の懐に抱かれる静けさにいつまでも浸っていることに耐えられず、『トランペットの警笛』が鳴れば危険な戦いの地へと赴き、自己の意識と力を取り戻す」。
 第3部の田園風の穏やかな気分は徐々に高揚していき、トランペットによるファンファーレが現れるのをきっかけに音楽は前進する勢いをもって、2/2拍子の行進曲へ移行する。テーマがいずれも行進曲風のリズムに変形されて登場し、第1部の12/8拍子が再現されてクライマックスを迎える。

 リストが全編を書いた標題の冒頭部分さえラマルティーヌが書いたものではない。ラマルティーヌの「瞑想詩集」(Méditations poétiques)の原文は、全12章375行からなる長大な詩だ。そのうち、リストが引用したのは、自身が符をつけた「トランペットが警報を発する」という、たった1行だけだ。
 リストは、1855年に発表した「ベルリオーズと彼のハロルド交響曲」という論文の中で次のように述べている。「芸術における形式とは精神的内容の器、想念をおおうもの、魂にとっての肉体なのだから、形式はきわめて繊細に、内容とぴったり合っていなければならない」。交響詩《レ・プレリュード》はこのようなリストの理想を具現化したもので、標題と密接に結びついた見事な変奏は、次々とあざやかな景色を描くのにとどまらず、リストの精神的な理想をも反映した壮大な作品である。初演は1854年2月23日、ワイマールでリスト指揮によっておこなわれた。

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 リストは交響詩を13曲書いた。12曲まではツィクルスとして書かれた。「詩的素材」「音楽内在的な構造要素」ともに堅固な構造をもつツィクルスとして。

〈第1番〉 人、山上にて聞きしこと
 ヴィクトル・ユーゴーの詩に基づいている。詩人は山のなかで二つの声を聴く。ひとつは広大な、力強く秩序のある自然の声であり、もうひとつは苦悩と慟哭に充ちた人間の声だ。二つの声は闘いのうちに、ついに神聖な歌のなかに解消される。
〈第2番〉 タッソー、悲劇と勝利
 ゲーテの戯曲による。ヴェネチアの船頭の歌からとられたタッソーの主題が中心となり、タッソーの悲劇をあらわした第一部から、後半の第二部には高らかな勝利が謳いあげられる。
〈第3番〉 前奏曲 上記の通り。
〈第4番〉 オルフェウス
  最初はグルックの歌劇の序曲として作曲された。交響詩としての序文にリストは書いている。
  「過去と同様に今日においても、人間性自体には、残忍、野蛮、肉欲という本能が認められるが、それを和らげ、穏やかにし、気高くすることが芸術の使命である。オルフェウス、すなわち芸術は、メロディーと和音が織りなす波長を発していなければならない。それは互いに傷つけあい、個人の心と社会の内部で血を流しあうような対立するものに対して、やわらかく抗しがたい光のように響く。。オルフェウスはエウリディーチェのために泣いた。彼女は悪と不幸によって無と帰された理想の象徴だ。……彼は彼女を地上に連れて帰ることはできなかった! われわれは二度と野蛮な時代を目の当たりにすることがないように!」。
〈第5番〉 プロメテウス
  プロメテウスは人類に火をもたらしたことでゼウスの怒りをかい、罰を受けたギリシャの神だ。  
リストは1835年に著作「芸術家の立場と社会的身分」を出した。芸術家がもつべき社会的使命の具体例としてゼウスの秩序に縛られつつも、天界の火を人間社会に与えたプロメテウスをあげている。この曲の序文では「耐えることで勝利に至る深い痛みこそがこの作品を形成する」。
〈第6番〉マゼッパ
  ヴィクトル・ユーゴーの詩を標題にもつ。不義ゆえに裸のまま暴れ馬にくくりつけられて野に放たれたマゼッパは生きのびて、ウクライナのコサック兵になり、やがて首長にまでのぼりつめる。第二部では、マゼッパを困難に立ち向かう詩人に置き換えて、その勝利を謳いあげる。
〈第7番〉 祭典の響き
  シラーの戯曲「芸術への忠誠」が上演されたときに序曲として書かれた。しかし、標題は書かれていない。一説によれば同棲していたヴィトゲンシュタイン伯爵夫人と正式に結婚することを想定し、そのための祝典音楽として書いた、という。
〈第8番〉 英雄の嘆き
  1830年、フランスで7月革命に接して「革命交響曲」を書こうとして実現しなかった。1850年になって、第一楽章をもとにして「英雄の嘆き」が完成した。長大な葬送行進曲。
〈第9番〉 ハンガリー
  1840年にピアノのために「ハンガリー風英雄行進曲」を書いた。そのなかの二つの主題をもとにして1854年に「ハンガリー」が完成した。かつての「ハンガリー狂詩曲」がより深まった哀しみの詠嘆と離れた国を愛する情熱が讃歌に結晶していく。
〈第10番〉 ハムレット
  もともとは1856年にシェイクスピアの戯曲上演の序曲として作曲された。交響詩として完成されたのは1858年。リストは「ハムレットを優柔不断ではなく、周到に機会を待つ才能ある王子として読み、オフィーリアは不安ゆえに狂気へ至った女性として読んだ。凱旋する終結部ではなく、葬送のモデラートで閉じられる。
〈第11番〉 フン族の戦い
  カウルバッハの絵「フン族の戦い」に刺激を受けて音楽であらわした。アッティラが率いるフン族とキリスト教徒の戦い。激しい戦争の騒乱に対比される敬虔なグレゴリオ聖歌。戦いが終わるとオルガンが響き、キリスト教徒の勝利を謳いあげる。
〈第12番〉 理想
  1857年にワイマールに建てられたゲーテとシラーの像の除幕式のために書かれた。同時に初演された「ファウスト交響曲」はゲーテのために。「理想」はシラーの詩に基づいている。多感な青年の生涯が描かれているもので、リストは「躍進」「幻滅」「希求」「礼賛」と副題をつけている。
〈第13番〉 揺篭から墓場まで
  この曲だけはかなり遅れて1882年にローマで作曲されている。リストの生前には演奏されることがなかった。リストの弟子、ズィヒー・ミハーイ伯爵の絵に基づいて作曲された。薄いテクスチュアや和声などがワイマール時代とは異なる晩年の様式を示している。「揺りかご」「存在のための闘争」「墓へ、未来の命の揺りかご」の三つの部分からなる。
  

  生きる苦しみから戦いを経て、解放へ。「詩的素材」が交響詩全曲に通底するのは「闇から光」へ導かれて歩む人間の姿であり、リストの音楽は「本質として宗教的」なのだった。
 

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# by ooi_piano | 2025-02-26 02:58 | コンサート情報 | Comments(0)

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