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◆プログラムノーツ
◆「松下眞一の回想」(高橋悠治)
◆寄稿「松下眞一歿後20年追悼演奏会に寄せて」白石知雄(音楽学)
◆寄稿「数学者としての松下眞一」松井卓(九州大学数理学研究院教授)
◇白石知雄氏による、京都公演終了後のエントリー
●クラシック・ニュース様(2/18付記事)
●Classica様
●すなおにクラシック様
●シンフォニア・サンガについて(すなおにクラシック様)
●河合拓始のよしなしごと様
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↑チラシ表の抽象画のような絵柄は、今回新発見され世界初演される、遺作《スペクトラ第5番》(1973)全17ページ(全編図形楽譜)の一部です。譜面を読めば読むほど、他作品同様、実に緻密な音楽的プランが施してあって、生前に公表されなかったのがかえって不思議なくらいです。
松下眞一(松下真一) 1922年10月1日、大阪府茨木市生まれ。旧制第三高等学校(現:京都大学教養)理科を経て九州大学理学部及び同大学大学院修了。理学博士。関数解析学・ポテンシャル論の研究者として国際的に知られる。大阪市立大学助教授を経てハンブルク大学客員教授、同理論物理研究所研究員。理論物理学者パスクアル・ヨルダンとヨルダン代数の共同研究を行う。作曲はほぼ独学であり、幼少時より父・久一より音楽的感化を受ける。1961年5月、第35回ウィーン世界音楽祭より招待(同ISCM:日本代表)。1962年4月、ローマ国際作曲コンクール入選。1965年6月、ザグレブ・ビエンナーレより招待。同年、マドリッド世界音楽祭より招待。1968年5月、スウェーデン国立放送電子スタジオより招聘。世界初のGaborsystemの共同研究。欧米では、ブーレーズ、マタチッチ、ロリオ、サットマリー等により作品が演奏され、また、クセナキス、シュトックハウゼン、ノーノらとも親交を結ぶ。1970年、EXPO’70日本万国博委員。途中、1963年12月より1974年まで国際現代音楽祭「大阪の秋」を創立し常任委員を務める。作曲家としては早くから声明(しょうみょう)や和讚(わさん)に取り組み、東西本願寺・高田派・佛光寺派等の真宗教団連合結成50周年のためのオラトリオ『親鸞』、阿含経(あごんきょう)に基づく交響曲『サムガ』、レコード9枚におよぶ法華経カンタータ《沸陀》などが、晩年の代表作として挙げられる。1990年12月25日歿。本公演は、長らく譜面の所在が不明であった《スペクトラ第5番》世界初演、また《スペクトラ第6番》第5曲「器械体操(Gymnastique à la machine)」世界初演を含む、ピアノ独奏のための《スペクトラ》シリーズの全曲通奏初演であり、また、作曲者歿後20周年にして初の追悼個展となる。
■宮本妥子(打楽器助演)
静岡県生まれ。同志社女子大学学芸学部音楽学科、ならびに同大学音楽学会「頌啓会」特別専修課程修了。1996年フライブルク音楽大学大学院、99年同ソリスト科を首席最優秀にて卒業。ドイツ国家演奏家資格を取得。滝厚美、北川皎、上埜孝、中谷満、山口恭範、吉原すみれ、ベルンハルト・ヴルフ、ロバート・ヴァン・サイスの諸氏に師事。
ルクセンブルク国際マリンバコンクール・ファイナリスト(1995)、第46回ミュンへンARD国際音楽コンクール・ファイナリスト(1997)、ライプツィヒ現代音楽コンクール第1位(1998)、滋賀県文化奨励賞(1998)等を受賞。
アンサンブル・レ・ドンネ・イデアーリ(バーゼル)、アンサンブル・カリス(チューリッヒ)、YMMO即興アンサンブル(フライブルク)に所属。また、アンサンブル・ルシェルシュ(フライブルク)、 アンサンブル・スュルプルス(フライブルク )、ムジークファブリック(デュッセルドルフ)、シュトゥットガルト放送交響楽団、バーゼル交響楽団、ブレーメン・フィル等に客演。
米国ロチェスターにて招待公演(1997)。宮本妥子の超絶的演奏を想定してミカエル・ジャレルから献呈された、マルチ・パーカッション独奏と管弦楽のための協奏曲《Un long fracas somptueux de rapide céleste...》をベルンハルト・ヴルフ指揮バーゼル交響楽団と世界初演(1998、仏アンリ・ルモワーヌ社から直ちに出版)、翌年に岩城宏之指揮びわこ祝祭管弦楽団と日本初演も行い(1999)、大きな話題となる。ピエール・ブーレーズ卒いるアンサンブル・アンテルコンタンポラン・アカデミーのメンバーとして、パリにて演奏(1999)。マリアーノ・エトキンへの委嘱新作初演を含むソロリサイタルをブエノスアイレスで開催、「二度と忘れることができない演奏」(Clalin紙)と絶賛を博す。ハンブルク国際万博・エクアドル館より招待され、オラフ・ジョッペ(ストラスブール打楽器アンサンブル)と共演(2000)。ウクライナ現代音楽祭にソリストとして招かれ、キエフ室内楽団と共演。モンゴルにてモンゴル・フィルハーモニーと打楽器コンチェルトを協演(2002)。オーストリア・フェルドキルヒ音楽祭にて招待演奏(2002、2004)。その他、フリーの打楽器奏者として、欧米各地の多数のフェスティバルに招聘、テレビ、ラジオ、CD録音を行う。
2005年に拠点をドイツから日本に移した後は、スタジオ・フローラ・レーベルよりマリンバ・ソロのアルバム《Dear》のリリース、財団法人「地域創造」・公共ホール音楽活性化事業アーティストとしてのアウトリーチ公演、京都府民ホールアルティの音楽部門「アルティ合奏団」、びわこミュージックハーベストアカデミーのコーディネーターの他、子供達とのワークショップやダンスとのコラボレーションなど、ますます多彩な活動を展開している。現在、滋賀県立石山高等学校音楽科、相愛大学非常勤講師。http://www.yasukomiyamoto.com/
◆プログラムノーツ
◆「松下眞一の回想」(高橋悠治)
◆寄稿「松下眞一歿後20年追悼演奏会に寄せて」白石知雄(音楽学)
◆寄稿「数学者としての松下眞一」松井卓(九州大学数理学研究院教授)
◇白石知雄氏による、京都公演終了後のエントリー
●クラシック・ニュース様(2/18付記事)
●Classica様
●すなおにクラシック様
●シンフォニア・サンガについて(すなおにクラシック様)
●河合拓始のよしなしごと様
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↑チラシ表の抽象画のような絵柄は、今回新発見され世界初演される、遺作《スペクトラ第5番》(1973)全17ページ(全編図形楽譜)の一部です。譜面を読めば読むほど、他作品同様、実に緻密な音楽的プランが施してあって、生前に公表されなかったのがかえって不思議なくらいです。
《松下眞一 歿後20周年 追悼演奏会》
2010年2月27日(土)午後6時開演 /午後5時半開場
京都市国際交流会館・イベントホール
(京都市左京区粟田口鳥居町2-1 tel.075-752-3010)
地下鉄東西線「蹴上」駅下車、2番出口から南禅寺方向へ徒歩5分
〈前売〉 学生¥2,000/一般¥3,000
〈当日〉 学生¥2,500/一般¥3,500(全席自由)
ローソンチケット 0570-084-005 (Lコード 54392)
お問い合わせ アクティブKEI ℡075-255-6586
concert.yoyaku[at]gmail.com
〈助成〉朝日新聞文化財団 関西元気文化圏参加公演
大井浩明(ピアノ)
宮本妥子(打楽器助演※)
●松下眞一: 《可測な時間と位相的時間》(1957-60)
●松下眞一: 《スペクトラ第1番》(1964)
●松下眞一: 《スペクトラ第2番 ~日本神話にもとづく6つの断片》(1967)
I. オノゴロ島(Île d'Onogaro en ciel)、II. ヨミの国(Le royaume 'Yomi' (sombre royaume))、III. 天照大神とスサノオの尊(La Desse Amaterasu et son frère, Susano-o)、IV. イナバの国の物語(Histoire du royaume d'Inaba)、V. 海幸・山幸の物語(海底の国)(Histoire d'Umisachi et Yamasachi (le royaume sous-marin))、VI. 天孫降臨(Descente des dieux du ciel (Tenson-Kôrin))
●I. クセナキス: 《ヘルマ -記号的音楽》(1961)
●松下眞一: 《スペクトラ第4番》(1971)
〈休憩 20分〉
●松下眞一: 《スペクトラ第3番 ~打楽器奏者助演を伴う※》(1970)
●I. クセナキス: 《エヴリアリ》(1973)
●松下眞一: 《スペクトラ第5番 ~図形楽譜による》(1973/世界初演)
●I. クセナキス: 《ミスツ》(1980)
●松下眞一: 《スペクトラ第6番 --d’assez près de poétique (6つのバガテル)》(1984/全6曲による通奏世界初演)
I. 第一プレリュード(Prélude 1)、II. 第二プレリュード(Prélude 2)、III. 過ぎ去りし夏の風のあとに(Après le vent d’été passé)、IV. 深い闇のなかの開裂(Déhiscence dans l’ombre très foncée)、V. 器械体操(Gymnastique à la machine)、VI. モンソー公園の春(Le printemps au Parc Monceau)
Hiroaki OOI Piano Recital, commemorating the 20th anniversary of the death of Prof. Dr. Shin-ichi MATSUSHITA (1922- 1990)
Sat, 27 Feb. 2010, start 6:00 p.m. / open 5:30 p.m.
Kyoto International Community House [Kyoto Kokusai Koryu Kaikan] (2-1 Torii-cho,Awataguchi, Sakyo-ku Kyoto,606-8536)
http://www.kcif.or.jp/en/
access map (in English) http://www.kcif.or.jp/en/access/
reservation: concert.yoyaku[at]gmail.com
Shin-ichi MATSUSHITA (1922-1990):
Temps mesurable et temps topologique (1957-60)
Spectra 1 for Piano (1964)
Spectra 2 for Piano, Six pièces sur les mythes japonais (1967)
1. Île d'Onogoro en ciel - 2. Le royaume 'Yomi' (sombre royaume) - 3. La Desse Amaterasu et son frère, Susano-o - 4. Histoire du royaume d'Inaba - 5. Histoire d'Umisachi et Yamasachi (le royaume sous-marin) - 6. Descente des dieux du ciel (Tenson-Kôrin)
Spectra 3 for PIano, with 2 players (1970) [with Yasuko Miyamoto, percussionist]
Spectra 4 for Piano, Fantaisie de physique théorique ou bien de l'atmosphère tres poétique (1971)
Spectra 5 for Piano (1973), world premiere
Spectra 6 for Piano, d’assez près de poétique (1983)
I. Prélude 1, II. Prélude 2, III. Après le vent d’été passé, IV. Déhiscence dans l’ombre très foncée, V. Gymnastique à la machine, VI. Le printemps au Parc Monceau
Iannis XENAKIS (1922-2001):
Herma, Musique symbolique (1961)
Evryali (1973)
Mists (1980)
松下眞一(松下真一) 1922年10月1日、大阪府茨木市生まれ。旧制第三高等学校(現:京都大学教養)理科を経て九州大学理学部及び同大学大学院修了。理学博士。関数解析学・ポテンシャル論の研究者として国際的に知られる。大阪市立大学助教授を経てハンブルク大学客員教授、同理論物理研究所研究員。理論物理学者パスクアル・ヨルダンとヨルダン代数の共同研究を行う。作曲はほぼ独学であり、幼少時より父・久一より音楽的感化を受ける。1961年5月、第35回ウィーン世界音楽祭より招待(同ISCM:日本代表)。1962年4月、ローマ国際作曲コンクール入選。1965年6月、ザグレブ・ビエンナーレより招待。同年、マドリッド世界音楽祭より招待。1968年5月、スウェーデン国立放送電子スタジオより招聘。世界初のGaborsystemの共同研究。欧米では、ブーレーズ、マタチッチ、ロリオ、サットマリー等により作品が演奏され、また、クセナキス、シュトックハウゼン、ノーノらとも親交を結ぶ。1970年、EXPO’70日本万国博委員。途中、1963年12月より1974年まで国際現代音楽祭「大阪の秋」を創立し常任委員を務める。作曲家としては早くから声明(しょうみょう)や和讚(わさん)に取り組み、東西本願寺・高田派・佛光寺派等の真宗教団連合結成50周年のためのオラトリオ『親鸞』、阿含経(あごんきょう)に基づく交響曲『サムガ』、レコード9枚におよぶ法華経カンタータ《沸陀》などが、晩年の代表作として挙げられる。1990年12月25日歿。本公演は、長らく譜面の所在が不明であった《スペクトラ第5番》世界初演、また《スペクトラ第6番》第5曲「器械体操(Gymnastique à la machine)」世界初演を含む、ピアノ独奏のための《スペクトラ》シリーズの全曲通奏初演であり、また、作曲者歿後20周年にして初の追悼個展となる。
■宮本妥子(打楽器助演)
静岡県生まれ。同志社女子大学学芸学部音楽学科、ならびに同大学音楽学会「頌啓会」特別専修課程修了。1996年フライブルク音楽大学大学院、99年同ソリスト科を首席最優秀にて卒業。ドイツ国家演奏家資格を取得。滝厚美、北川皎、上埜孝、中谷満、山口恭範、吉原すみれ、ベルンハルト・ヴルフ、ロバート・ヴァン・サイスの諸氏に師事。
ルクセンブルク国際マリンバコンクール・ファイナリスト(1995)、第46回ミュンへンARD国際音楽コンクール・ファイナリスト(1997)、ライプツィヒ現代音楽コンクール第1位(1998)、滋賀県文化奨励賞(1998)等を受賞。
アンサンブル・レ・ドンネ・イデアーリ(バーゼル)、アンサンブル・カリス(チューリッヒ)、YMMO即興アンサンブル(フライブルク)に所属。また、アンサンブル・ルシェルシュ(フライブルク)、 アンサンブル・スュルプルス(フライブルク )、ムジークファブリック(デュッセルドルフ)、シュトゥットガルト放送交響楽団、バーゼル交響楽団、ブレーメン・フィル等に客演。
米国ロチェスターにて招待公演(1997)。宮本妥子の超絶的演奏を想定してミカエル・ジャレルから献呈された、マルチ・パーカッション独奏と管弦楽のための協奏曲《Un long fracas somptueux de rapide céleste...》をベルンハルト・ヴルフ指揮バーゼル交響楽団と世界初演(1998、仏アンリ・ルモワーヌ社から直ちに出版)、翌年に岩城宏之指揮びわこ祝祭管弦楽団と日本初演も行い(1999)、大きな話題となる。ピエール・ブーレーズ卒いるアンサンブル・アンテルコンタンポラン・アカデミーのメンバーとして、パリにて演奏(1999)。マリアーノ・エトキンへの委嘱新作初演を含むソロリサイタルをブエノスアイレスで開催、「二度と忘れることができない演奏」(Clalin紙)と絶賛を博す。ハンブルク国際万博・エクアドル館より招待され、オラフ・ジョッペ(ストラスブール打楽器アンサンブル)と共演(2000)。ウクライナ現代音楽祭にソリストとして招かれ、キエフ室内楽団と共演。モンゴルにてモンゴル・フィルハーモニーと打楽器コンチェルトを協演(2002)。オーストリア・フェルドキルヒ音楽祭にて招待演奏(2002、2004)。その他、フリーの打楽器奏者として、欧米各地の多数のフェスティバルに招聘、テレビ、ラジオ、CD録音を行う。
2005年に拠点をドイツから日本に移した後は、スタジオ・フローラ・レーベルよりマリンバ・ソロのアルバム《Dear》のリリース、財団法人「地域創造」・公共ホール音楽活性化事業アーティストとしてのアウトリーチ公演、京都府民ホールアルティの音楽部門「アルティ合奏団」、びわこミュージックハーベストアカデミーのコーディネーターの他、子供達とのワークショップやダンスとのコラボレーションなど、ますます多彩な活動を展開している。現在、滋賀県立石山高等学校音楽科、相愛大学非常勤講師。http://www.yasukomiyamoto.com/