【ポック#10】 シュトックハウゼン(1928-2007) 歿後5周年・初期クラヴィア曲集成
2012年1月29日(日) 午後6時開演 (午後5時30分開場) 白寿ホール
大井浩明(ピアノ) 有馬純寿(電子音響)
クラヴィア曲 I (1952) 約3分
クラヴィア曲 II (1952) 約2分
クラヴィア曲 III (1952) 約30秒
クラヴィア曲 IV (1952) 約2分
クラヴィア曲 V (1954) 約5分
*
クラヴィア曲 VI (1954/61) 約25分
*
クラヴィア曲 VII (1955) 約6分
クラヴィア曲 VIII (1954) 約2分
クラヴィア曲 IX (1954/61) 約10分
--(休憩15分)--
クラヴィア曲 XVIII 《水曜日のフォルメル》~オペラ「光の水曜日」より(2004、日本初演)(シンセサイザー独奏) 約10分
クラヴィア曲 XI (1956) 約12分
クラヴィア曲 X (1954/61) 約25分
〈前売〉 学生2,000円 一般2,500円 〈当日〉 学生2,500円 一般3,000円
【チケット取り扱い】 ローソンチケット 0570-084-003 Lコード:39824
ヴォートルチケットセンター 03-5355-1280 (10:00~18:00土日祝休)
【お問い合わせ】お問い合わせ 株式会社オカムラ&カンパニー
tel 03-6804-7490 (10:00~18:00 土日祝休)
fax 03-6804-7489 info@okamura-co.com
★9月23日クセナキス公演の感想集 http://togetter.com/li/191754
★10月22日リゲティ公演の感想集 http://togetter.com/li/203576
★11月23日ブーレーズ公演の感想集 http://togetter.com/li/217773
★12月23日韓国特集の感想集 http://togetter.com/li/231194
★1月29日シュトックハウゼン公演の感想集 http://togetter.com/li/248993
★POC2011関連のリンク http://ooipiano.exblog.jp/i9/
2012年1月29日(日) 午後6時開演 (午後5時30分開場) 白寿ホール
大井浩明(ピアノ) 有馬純寿(電子音響)
クラヴィア曲 I (1952) 約3分
クラヴィア曲 II (1952) 約2分
クラヴィア曲 III (1952) 約30秒
クラヴィア曲 IV (1952) 約2分
クラヴィア曲 V (1954) 約5分
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クラヴィア曲 VI (1954/61) 約25分
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クラヴィア曲 VII (1955) 約6分
クラヴィア曲 VIII (1954) 約2分
クラヴィア曲 IX (1954/61) 約10分
--(休憩15分)--
クラヴィア曲 XVIII 《水曜日のフォルメル》~オペラ「光の水曜日」より(2004、日本初演)(シンセサイザー独奏) 約10分
クラヴィア曲 XI (1956) 約12分
クラヴィア曲 X (1954/61) 約25分
〈前売〉 学生2,000円 一般2,500円 〈当日〉 学生2,500円 一般3,000円
【チケット取り扱い】 ローソンチケット 0570-084-003 Lコード:39824
ヴォートルチケットセンター 03-5355-1280 (10:00~18:00土日祝休)
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★9月23日クセナキス公演の感想集 http://togetter.com/li/191754
★10月22日リゲティ公演の感想集 http://togetter.com/li/203576
★11月23日ブーレーズ公演の感想集 http://togetter.com/li/217773
★12月23日韓国特集の感想集 http://togetter.com/li/231194
★1月29日シュトックハウゼン公演の感想集 http://togetter.com/li/248993
★POC2011関連のリンク http://ooipiano.exblog.jp/i9/
■クラヴィア曲第I/II/III/IV番
1951年初夏にダルムシュタット講習会で聞いたメシアン《4つのリズム・エチュード》に衝撃を受け、翌年1月にパリへ留学、音楽院のミヨー作曲クラスには不合格であったが、メシアン分析クラスに入学。2月にピアノ曲「A - B」として書き上げたのが、クラヴィア曲第IIIと第IIである。3月に入り、当時26歳のブーレーズと出会う。6月までに第IVと第Iを完成。ベルギー人ピアニスト、マルセル・メルスニエに献呈、彼女により1954年8月21日にダルムシュタットで初演。第I曲に於ける、11対10の連符の中にさらに7対5のリズムを押し込める不合理時価の表記法は、当時ブーレーズから手厳しく批判されたが、遠くファーニホウらの新複雑主義の先鞭とも言える。
■クラヴィア曲第V/VI/VII/VIII番
第V~第Xの6曲セットは、1953年末に着想され、翌年第V~第VIIIの4曲の最初のヴァージョン(第I~第IVと同規模)が完成した。アメリカ人ピアニスト、デヴィッド・チューダーに献呈。
第Vは、太陽と惑星、あるいは惑星の回りの衛星のような、中心音とそれを巡る装飾音の対比のエチュードとして構想された。最終版は、メルスニエにより最初の4曲と併せてダルムシュタットで1954年8月に初演。
第VIは、1954年5月のヴァージョンでは40秒程度の小品だったが、同年12月の第2ヴァージョンでは20倍以上に増殖、翌年3月の第3ヴァージョンがチューダーにより録音された後、テンポ変化を13段のグラフで併記するという特殊な記譜法の最終改訂版が1961年に完成。
第VIIは、周期的リズムの再統合を目指した1954年8月の最初のヴァージョンが余りに退嬰的だったため、翌年3~5月に全面改訂が施された(反復モチーフの痕跡は残っている)。ペダルやハーモニクス奏法による響きの探究は、ブーレーズの第3ソナタ(1955/57)を先取りしている。
第VIIIは、最初のアイデアのまま上手く完結できた稀なケースである。静的な第VIIに対して動的であり、しばしば組み合わせて演奏される。
■クラヴィア曲第IX/X/XI番
第IXと第Xは最終版が1961年に完成、ドイツ人ピアニストのアロイス・コンタルスキーに献呈された。
第IXは1962年5月21日にケルン放送スタジオでコンタルスキーにより初演。滔々と奏される冒頭の和音連打は、最初の妻の家で後の妻が行った即興演奏に由来する。リズム構造は、自然界に数多く見出されるフィボナッチ数列(1, 2, 3, 5, 8, 13, ...)に基づく。後のスペクトル楽派の始祖的な作品。
第Xは、最終版の脱稿がコンサートの数日前にずれ込んだため、初演予定者のデヴィッド・チューダーが演奏を拒否(1961年5月)、翌年10月にパレルモでフレデリック・シェフスキーにより初演。手袋を必須とする急速なグリッサンドの交替や、指・拳・掌・手首・下腕・肘で7種類に弾き分けられる目まぐるしいトーン・クラスター(密集和音)の応酬は、フリー・ジャズ等にも決定的な影響を与えた。
第XIは、献呈者チューダーにより1957年4月22日にニューヨークで初演。縦54cm×横94cmの巨大な紙に19の断片が印刷され、奏者は目に入ったものから順々に弾いてゆく、という、「管理された偶然性」の作品。ただし、演奏順による指定の変化をその都度遵守するのは非常に困難なため、打楽器のための《チクルス》やブーレーズ《第3ソナタ》等と同様、事前にヴァージョンを決定付けておく演奏慣習も、初演直後から黙認されている。「演奏順を奏者が決める新作」を1955年にチューダーに打診した際、フェルドマン《Intermission 6》(1953)やアール・ブラウン《Twenty-five Pages》(1953)の存在を、シュトックハウゼン自身は知らなかったと云う。
■クラヴィア曲第XVIII番
シュトックハウゼンの《鍵盤曲 Klavierstücke》のシリーズは、まず第I番~第XI番(1952-1961)がピアノ独奏のために書かれた。約20年のブランクののち、連作オペラ《光 Licht》の抜粋として、特殊奏法やアクション等をともなったピアノ独奏のための第XII番「試験」(《木曜日》第1幕第3場)(1979/83)、第XIII番「ルシファーの夢」(《土曜日》第1場)(1981)、第XIV番「誕生日のフォルメル」(《月曜日》第2幕第2場)(1984)、そして電子的クラヴィア(elektronisches Klavier)ならびに電子音響のための第XV番「サンティ・フー [シンセ狂]」(《火曜日》第2幕終結部)(1991)、第XVI番(《金曜日》第2幕)(1995)、第XVII番「彗星」(《金曜日》第2幕)(1994/99)、電子的クラヴィア独奏のための第XVIII番「水曜日のフォーミュラ」(《水曜日》より)(2004)、第XIX番(《日曜日》終結部)(2001/2003)が独立曲として切り出された。
第XV~第XVII番では熾烈な電子音響パートが付随していたが、この第XVIII番では、オペラの基盤となる3つの旋律(フォーミュラ)である「エファ」「ミヒャエル」「ルシファー」が、層を違(たが)えながら淡々と提示されてゆく。
1951年初夏にダルムシュタット講習会で聞いたメシアン《4つのリズム・エチュード》に衝撃を受け、翌年1月にパリへ留学、音楽院のミヨー作曲クラスには不合格であったが、メシアン分析クラスに入学。2月にピアノ曲「A - B」として書き上げたのが、クラヴィア曲第IIIと第IIである。3月に入り、当時26歳のブーレーズと出会う。6月までに第IVと第Iを完成。ベルギー人ピアニスト、マルセル・メルスニエに献呈、彼女により1954年8月21日にダルムシュタットで初演。第I曲に於ける、11対10の連符の中にさらに7対5のリズムを押し込める不合理時価の表記法は、当時ブーレーズから手厳しく批判されたが、遠くファーニホウらの新複雑主義の先鞭とも言える。
■クラヴィア曲第V/VI/VII/VIII番
第V~第Xの6曲セットは、1953年末に着想され、翌年第V~第VIIIの4曲の最初のヴァージョン(第I~第IVと同規模)が完成した。アメリカ人ピアニスト、デヴィッド・チューダーに献呈。
第Vは、太陽と惑星、あるいは惑星の回りの衛星のような、中心音とそれを巡る装飾音の対比のエチュードとして構想された。最終版は、メルスニエにより最初の4曲と併せてダルムシュタットで1954年8月に初演。
第VIは、1954年5月のヴァージョンでは40秒程度の小品だったが、同年12月の第2ヴァージョンでは20倍以上に増殖、翌年3月の第3ヴァージョンがチューダーにより録音された後、テンポ変化を13段のグラフで併記するという特殊な記譜法の最終改訂版が1961年に完成。
第VIIは、周期的リズムの再統合を目指した1954年8月の最初のヴァージョンが余りに退嬰的だったため、翌年3~5月に全面改訂が施された(反復モチーフの痕跡は残っている)。ペダルやハーモニクス奏法による響きの探究は、ブーレーズの第3ソナタ(1955/57)を先取りしている。
第VIIIは、最初のアイデアのまま上手く完結できた稀なケースである。静的な第VIIに対して動的であり、しばしば組み合わせて演奏される。
■クラヴィア曲第IX/X/XI番
第IXと第Xは最終版が1961年に完成、ドイツ人ピアニストのアロイス・コンタルスキーに献呈された。
第IXは1962年5月21日にケルン放送スタジオでコンタルスキーにより初演。滔々と奏される冒頭の和音連打は、最初の妻の家で後の妻が行った即興演奏に由来する。リズム構造は、自然界に数多く見出されるフィボナッチ数列(1, 2, 3, 5, 8, 13, ...)に基づく。後のスペクトル楽派の始祖的な作品。
第Xは、最終版の脱稿がコンサートの数日前にずれ込んだため、初演予定者のデヴィッド・チューダーが演奏を拒否(1961年5月)、翌年10月にパレルモでフレデリック・シェフスキーにより初演。手袋を必須とする急速なグリッサンドの交替や、指・拳・掌・手首・下腕・肘で7種類に弾き分けられる目まぐるしいトーン・クラスター(密集和音)の応酬は、フリー・ジャズ等にも決定的な影響を与えた。
第XIは、献呈者チューダーにより1957年4月22日にニューヨークで初演。縦54cm×横94cmの巨大な紙に19の断片が印刷され、奏者は目に入ったものから順々に弾いてゆく、という、「管理された偶然性」の作品。ただし、演奏順による指定の変化をその都度遵守するのは非常に困難なため、打楽器のための《チクルス》やブーレーズ《第3ソナタ》等と同様、事前にヴァージョンを決定付けておく演奏慣習も、初演直後から黙認されている。「演奏順を奏者が決める新作」を1955年にチューダーに打診した際、フェルドマン《Intermission 6》(1953)やアール・ブラウン《Twenty-five Pages》(1953)の存在を、シュトックハウゼン自身は知らなかったと云う。
■クラヴィア曲第XVIII番
シュトックハウゼンの《鍵盤曲 Klavierstücke》のシリーズは、まず第I番~第XI番(1952-1961)がピアノ独奏のために書かれた。約20年のブランクののち、連作オペラ《光 Licht》の抜粋として、特殊奏法やアクション等をともなったピアノ独奏のための第XII番「試験」(《木曜日》第1幕第3場)(1979/83)、第XIII番「ルシファーの夢」(《土曜日》第1場)(1981)、第XIV番「誕生日のフォルメル」(《月曜日》第2幕第2場)(1984)、そして電子的クラヴィア(elektronisches Klavier)ならびに電子音響のための第XV番「サンティ・フー [シンセ狂]」(《火曜日》第2幕終結部)(1991)、第XVI番(《金曜日》第2幕)(1995)、第XVII番「彗星」(《金曜日》第2幕)(1994/99)、電子的クラヴィア独奏のための第XVIII番「水曜日のフォーミュラ」(《水曜日》より)(2004)、第XIX番(《日曜日》終結部)(2001/2003)が独立曲として切り出された。
第XV~第XVII番では熾烈な電子音響パートが付随していたが、この第XVIII番では、オペラの基盤となる3つの旋律(フォーミュラ)である「エファ」「ミヒャエル」「ルシファー」が、層を違(たが)えながら淡々と提示されてゆく。