[ポック#11] ラッヘンマン+ホリガー 全ピアノ作品
2012年10月4日(木)18時開演 代々木上原・けやきホール
大井浩明(ピアノ) 有馬純寿(音響)
(問い合わせ)オカムラ&カンパニーhttp://www.okamura-co.com/ tel 03-6804-7490 info@okamura-co.com
【第一部(18時~)】
ラッヘンマン(1935- ):F.シューベルト(D643)の主題による5つの変奏曲(1956)
ホリガー(1939- ):ソナチネ(1958)+夜の音楽(1959)(日本初演)、エリス(3つの夜曲)(1961/66)
ラッヘンマン:エコー・アンダンテ(1961/62)、ゆりかごの音楽(1963)、ギロ - 練習曲(1970/88)
【第二部(19時頃~)】
ラッヘンマン:子供の遊び(7つの小品)(1980)、セリナーデ(1997/98)
【第三部(20時頃~)】
ホリガー:《こどものひかり》より「ヨーデル二重唱」「ブルクドルフのブギウギ」「うさぎとはりねずみ(スイス・ランゲンタール方言弾き語り)」(1993-99、日本初演)、パルティータ(1999)、7月14日のための小玉花火(2012、日本初演)
|||||||||||||||||||||||||||||| ラッヘンマン作品解説 ||||||||||||||||||||||||||||||

1956年作曲、翌年シュトゥットガルトにて初演。1973年出版。ヘルマン・リストに献呈。フランツ・シューベルト《ドイツ舞曲とエコセーズ D.643》(1819)の前半(ドイツ舞曲)を主題とした、古典的な変奏曲。
《エコー・アンダンテ》
1962年作曲、同年7月18日ダルムシュタット夏季講習会にて作曲者により初演、同年出版。グニルデ&ヨスト・クラーマーに献呈。作曲者にとって習作期の総括であり、今後の方向性を見定めた点で、ベルクのピアノ・ソナタやウェーベルンのパッサカリアに相当する「作品1」だと云う。当時魅了されていたルイジ・ノーノの抽象的な声楽書法を、ピアノという減衰音の条件下で発展させた。この「重力に抗う」探求は、ピアノ協奏曲《よみがえる響き(Ausklang)》(1984)を経て《セリナーデ》まで継続される。
《ゆりかごの音楽》
1963年作曲、1964年4月1日ダルムシュタットにて初演、同年出版。ズザネ・クラーマーに献呈。Wiegenlied(子守唄)とは似て非なるWiegenmusik(ゆりかごの音楽)では、枝分かれしたり、遥かに引き伸ばされたり、急速に動いたりする各個の楽想が互いに渾然と同時進行し、ピアノの減衰する音響とあいまって、まるで眠りに落ちる子供のような終結へ向かう。

1970年12月1日ハンブルクにて初演。シュトックハウゼンの協働者であったピアニスト、アルフォンス・コンタルスキーの編纂する小品集のために書かれた。同時期のチェロ独奏曲《プレッション》(1969/70)やクラリネット独奏曲《ダル・ニエンテ》(1970)と同様、楽器の全く新しい取り扱いを目指している。瓢箪の表面の刻みを棒でこするラテン・パーカッション楽器「ギロ」を模して、「白鍵の前面」「白鍵の上面」「黒鍵の上面」「白鍵と黒鍵の間の斜面」「鍵盤の端の出っ張り」「弦巻(チューニング・ペグ)」「ペグとフェルト片の間の弦」等を、「親指の爪の背」「伸ばした人差し指」「同時に数本の指」等で引っ掻き回す。通常の鍵盤奏法を完全に否定された奏者への、心理的な「エチュード」でもあると云う。
《こどものあそび(七つの小品)》
第1曲「小さなハンスちゃん(ちょうちょ)」 - 第2曲「冷たい月光に照らされた雲」 - 第3曲「アキコ」 - 第4曲「偽の中国人(やや酩酊)」 - 第5曲「濾波ブランコ」 - 第6曲「鐘の塔」 - 第7曲「影の踊り」。
1982年7月17日トロントにて初演。息子ダーフィトに献呈。作曲当時(1980年)7歳だった娘アキコが一部を実際に公開演奏したが、教育的な意図はなく、管弦楽のための《ドイツ国歌による舞踏組曲》(1979-80)やギター二重奏曲《クリストファー・コードウェルへの挨拶》(1977)といった大作で得られた成果を、非常に分かり易い形で投影したものである。「私にとっては子供時代を喚び起こすことよりも、むしろ子供をモデルにしたデモンストレーションこそ重要です」(アドルノからベンヤミンへの手紙、1934年3月4日)。
《セリナーデ》
初稿初演は1998年8月27日秋吉台、最終稿初演は2000年2月13日シュトゥットガルト。タイトルは、女性を讃える楽曲ジャンル「セレナーデ(Serenade/小夜曲)」の一文字を、献呈初演者・菅原幸子の頭文字によって変調させたものである。シューベルトやブルックナーを思わせる大きな時間枠の中で、朴訥とした単音・和弦が各種ペダルや無音フラジオレットによる絶えざる変容を重ね、「メロス(旋律)の新しい形」(ラッヘンマン)へとフィルタリングされてゆく。
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ラヂオつくば 84.2MHz 「つくばタイムス・ドッピオ」
9/26(水) 24:00~24:30(=9/27(木) 午前0時~0時半)
※ホリガー:曲集《こどものひかり》より「蓄音機の上の壊れたワルツのレコード」「ミレーヴァ 1 (1990年11月)」「ミレーヴァ 2 (1992年12月24日)」「守護天使」の演奏のほか、プログラムについてのインタビューが放送されます。
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