感想集 http://togetter.com/li/763679
ベーゼンドルファーを弾くvol. 16 鍵盤の響宴 GALA! 10th ANNIVERSARY
12月21日(日)17時開演(16時45分開場) 金沢21世紀美術館 シアター21
一般 前売 2,000円、当日 2,500円 /友の会 前売 1,800円、当日 2,250円
お問い合わせ: 金沢21世紀美術館交流課 076-220-2811
<全4回公演>
平井真美子 2014年12月20日(土)16:00
上野耕路(共演:清水万耶子、佐々木理絵) 2014年12月20日(土)19:00
桑原あい ai kuwabara trio project 2014年12月21日(日)14:00
大井浩明 2014年12月21日(日) 17:00
オーバーホールされ金沢21世紀美術館のハウスピアノとして蘇った1962年製ベーゼンドルファーを弾くシリーズも10年目を迎えました。これまで出演いただいたアーティストの皆さんに敬意を表しつつ、今回は個性際立つ4組をピックアップ。
澄んだ視線で音景色を自在に描く平井真美子。意表をつく振れ幅の広さで観客の期待を鮮やかに欺く上野耕路。ドライブの効いた気鋭のトリオ率いる桑原あい。そしてピアノの“巨人”、大井浩明。10周年にふさわしい多彩なプログラムでベーゼンドルファーのヴァリエーションに富んだ響きをお楽しみください。
------------------------------
《・・・私たちがマーラーと道を歩いていると、クロイツベルクでお祭りをやっていて、ひどいどんちゃん騒ぎが始まった。そこではメリーゴーランドやブランコ、射的、道化芝居の音楽のほか、軍楽隊や男声合唱団も陣取っていたから、同じ森の野原で互いに好き勝手に鳴っていたそれらの音楽は、とんでもない奏楽となって響いてきた。そこでマーラーは大声で言った。「聴いてみろよ!これがポリフォニー(多声音楽)だ。僕はこうしたところからポリフォニーを手に入れているのさ!まだとても小さい子供の頃、イグラウの森で僕はこうしたポリフォニーに奇妙に心を動かされ、印象づけられた。それがこうした騒音として響こうと、多くが混じり合った鳥の鳴き声や嵐の怒号、ザブザブいう波の音や火がパチパチ燃える音として響こうと、変わりはないからだ。まさにそのように、各テーマは全く違った方向から聞こえてこなくてはいけないし、リズムや旋律もまるっきり違ったものでなくてはならない。(それ以外のものは、すべて単なる多声性(Vielstimmigkeit)か偽装されたホモフォニーにすぎない。)ただ、芸術家がそれを互いに調和して響き合うひとつの全体に組織化し、統一するだけのことだ」。・・・》
《・・・マーラーはバッハを、それまで存在したなかで最も偉大な天才と呼んだ。彼はバッハの天才に、いつも新たな感動をおぼえた。「彼に至る先駆者たちが彼の道を準備した、などというのは、全くばかげている!彼の存在はまったく孤立し、何物にも媒介されず、すべての天才と同じく、新しい世界として天から降ってきたものなのだ。彼のポリフォニーの奇蹟は、彼の時代ばかりかあらゆる時代にとって途方もないものだ」。彼は、バッハのモテット第3番(「Jesu,meine freude イエス、わが喜び」BWV227)にすっかり夢中になった。「八つの声部があのように一つのポリフォニーとなって進行するなんて、信じられない。彼だけにできる技だ!僕はやっとそれを目で読み取れるようになってきた。(ピアノで弾く、なんてことはできやしない!)僕はいつかそれを演奏したい、いや演奏しなくてはならない。──みんなびっくりするだろう!/僕がバッハからいつもどんなに多くを(もちろん、彼の足元に子供のようにすわりながら)学んでいるかは、口では言えないくらいだ。なぜなら、僕がもって生まれた作曲のやり方は、バッハ的だからだ!この最高の教えに没頭する時間があったらなあ!それがどんなに大きな意味をもっているかは、僕自身、想像できない。僕がやがて自由の身になったら、その後の日々をバッハに捧げよう!」・・・》
[ ナターリエ・バウアー=レヒナー(Natalie Bauer-Lechner, 1858-1921):『グスタフ・マーラーの思い出(Erinnerungen an Gustav Mahler, 1923)』(高野茂訳)より引用 ]
---------
cf.
■ベーゼンドルファーを弾く・第3楽章「21世紀のピアノ音楽~ゲントと金沢を結ぶピアノの音色」
2006年8月30日(水)19:00/金沢21世紀美術館Teater21 大井浩明(ピアノ+チェンバロ)
フランツ・リスト: 《ラ・カンパネラ》 S.140-3
ルシアン・ポスマン:「展覧会の絵」に基づくピアノ・エテュード《モデストの物語》 (2000、日本初演)
佐藤慶次郎:ピアノのための《カリグラフィー》 (1957/59)
三宅榛名:《鳥の影》 (1984)
譚盾(タン・ドゥン):《C-A-G-E》~ピアノのための指捌 (1993)
ジャン=アンリ・ダングルベール:《シャンボニエール氏の墓》 (1670s)
三宅榛名:《捨て子エレジー》~ピアノ弾き語り (1973)
足立智美:《ブラパンダン Brapandan》 (2006、委嘱新作・世界初演)
カールハインツ・シュトックハウゼン:ピアノ独奏のための《自然の持続時間》より第5~7曲(2005、日本初演)
------------------
■大井浩明 クラヴィコード・リサイタル Hiroaki OOI Clavichord-Rezital
2006年9月1日(金)18:00/金沢21世紀美術館 シアター21
J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第2巻(全曲)BWV.870~893

12月21日(日)17時開演(16時45分開場) 金沢21世紀美術館 シアター21
一般 前売 2,000円、当日 2,500円 /友の会 前売 1,800円、当日 2,250円
お問い合わせ: 金沢21世紀美術館交流課 076-220-2811
■ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):《音楽の捧げ物》BWV1079より「六声のリチェルカーレ」(1747)
■グスタフ・マーラー(1860-1911):交響曲第5番嬰ハ短調 (1902)
[オットー・ジンガー(1863-1931)によるピアノ独奏版]
第1楽章 葬送行進曲 - 見合ったテンポで、厳粛に、葬列のように
第2楽章 嵐のように荒々しく、最大の激烈さを持って
第3楽章 スケルツォ - 力強く、速すぎずに
第4楽章 アダージェット - 非常に緩やかに [※]
第5楽章 ロンド=フィナーレ - 快速に、楽しげに
■杉山洋一(1969- ):《間奏曲第VIII番「スーパー・アダージェット」》 ~マーラー交響曲第5番第4楽章に基づく (2013) [※]

平井真美子 2014年12月20日(土)16:00
上野耕路(共演:清水万耶子、佐々木理絵) 2014年12月20日(土)19:00
桑原あい ai kuwabara trio project 2014年12月21日(日)14:00
大井浩明 2014年12月21日(日) 17:00
オーバーホールされ金沢21世紀美術館のハウスピアノとして蘇った1962年製ベーゼンドルファーを弾くシリーズも10年目を迎えました。これまで出演いただいたアーティストの皆さんに敬意を表しつつ、今回は個性際立つ4組をピックアップ。
澄んだ視線で音景色を自在に描く平井真美子。意表をつく振れ幅の広さで観客の期待を鮮やかに欺く上野耕路。ドライブの効いた気鋭のトリオ率いる桑原あい。そしてピアノの“巨人”、大井浩明。10周年にふさわしい多彩なプログラムでベーゼンドルファーのヴァリエーションに富んだ響きをお楽しみください。
------------------------------

《・・・マーラーはバッハを、それまで存在したなかで最も偉大な天才と呼んだ。彼はバッハの天才に、いつも新たな感動をおぼえた。「彼に至る先駆者たちが彼の道を準備した、などというのは、全くばかげている!彼の存在はまったく孤立し、何物にも媒介されず、すべての天才と同じく、新しい世界として天から降ってきたものなのだ。彼のポリフォニーの奇蹟は、彼の時代ばかりかあらゆる時代にとって途方もないものだ」。彼は、バッハのモテット第3番(「Jesu,meine freude イエス、わが喜び」BWV227)にすっかり夢中になった。「八つの声部があのように一つのポリフォニーとなって進行するなんて、信じられない。彼だけにできる技だ!僕はやっとそれを目で読み取れるようになってきた。(ピアノで弾く、なんてことはできやしない!)僕はいつかそれを演奏したい、いや演奏しなくてはならない。──みんなびっくりするだろう!/僕がバッハからいつもどんなに多くを(もちろん、彼の足元に子供のようにすわりながら)学んでいるかは、口では言えないくらいだ。なぜなら、僕がもって生まれた作曲のやり方は、バッハ的だからだ!この最高の教えに没頭する時間があったらなあ!それがどんなに大きな意味をもっているかは、僕自身、想像できない。僕がやがて自由の身になったら、その後の日々をバッハに捧げよう!」・・・》
[ ナターリエ・バウアー=レヒナー(Natalie Bauer-Lechner, 1858-1921):『グスタフ・マーラーの思い出(Erinnerungen an Gustav Mahler, 1923)』(高野茂訳)より引用 ]
---------
cf.
■ベーゼンドルファーを弾く・第3楽章「21世紀のピアノ音楽~ゲントと金沢を結ぶピアノの音色」
2006年8月30日(水)19:00/金沢21世紀美術館Teater21 大井浩明(ピアノ+チェンバロ)
フランツ・リスト: 《ラ・カンパネラ》 S.140-3
ルシアン・ポスマン:「展覧会の絵」に基づくピアノ・エテュード《モデストの物語》 (2000、日本初演)
佐藤慶次郎:ピアノのための《カリグラフィー》 (1957/59)
三宅榛名:《鳥の影》 (1984)
譚盾(タン・ドゥン):《C-A-G-E》~ピアノのための指捌 (1993)
ジャン=アンリ・ダングルベール:《シャンボニエール氏の墓》 (1670s)
三宅榛名:《捨て子エレジー》~ピアノ弾き語り (1973)
足立智美:《ブラパンダン Brapandan》 (2006、委嘱新作・世界初演)
カールハインツ・シュトックハウゼン:ピアノ独奏のための《自然の持続時間》より第5~7曲(2005、日本初演)
------------------
■大井浩明 クラヴィコード・リサイタル Hiroaki OOI Clavichord-Rezital
2006年9月1日(金)18:00/金沢21世紀美術館 シアター21
J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第2巻(全曲)BWV.870~893