
#安藤和宏『よくわかる音楽著作権ビジネス』基礎編&実践編(リットーミュージック)がお薦めだそうです。既に第3版も出ているとか?
◆作品について
―――死後50年経過している作曲家(リヒャルト・シュトラウスやウェーベルンやバッハ)の作品は無問題です。
―――JASRAC(社団法人・日本音楽著作権協会)に登録している作曲家(例えば野村誠や鶴見幸代)の場合、JASRACが一括管理しています。「個人サイト」「非商用」「ストリーミング方式(※注)」ならば、年間1万円(+税)で使用可能です。「J-TAKT」(インターネットでのJASRACレパートリー利用許諾申込受付システム)から申し込みます。許諾は2週間必要と書かれていますが、私の場合は京都から東京までの郵送時間に等しいほどの短期間(3日)で回答をもらいました。
―――海外の著作権団体(ドイツのGEMA等)に登録している作曲家でも、たいていJASRACは相互管理協定を結んでいるので、日本での使用料はJASRACが代理徴収します。例外:韓国など。
―――JASRACに登録していない作曲家の場合、作曲家本人に許諾をもらいます。
―――「秒数が短ければ許諾申請は必要が無い・・・」というのは誤解。
(注※) 上記J-TAKTサイト掲載の定義によると、
『・・・ダウンロード形式とは、音声データの場合はMP3(著作隣権の許諾を得たもの、または得る必要の無いものに限る)など、演奏情報データの場合はMIDIデータなど、楽譜の場合はPDFデータなど、歌詞の場合はテキストデータなどを、送信先のPCや端末に保存する形式のことをいいます。また、ストリーム形式とは、音声データの場合RealAudioなど、演奏情報データの場合はMidRadioなどを利用して、送信先のPCや端末に保存しない形式のことをいいます。音声データ・演奏情報データをご利用の場合、データファイルそのものが保存可能な場合はすべてダウンロード形式となりますのでご注意ください。また、外国曲を除く歌詞・楽譜の画面表示は、現在のところストリーム形式としてお取り扱いしております(jpg、gifなど右クリック保存できる場合はダウンロード形式です)。なお、同じホームページ内にダウンロード形式とストリーム形式を併用される場合(MIDIデータの掲載とともに歌詞の画面表示をする等)は、それぞれ許諾が必要となりますので、まずどちらかを先にご登録いただき、もう一方の区分については「申込内容確認」ページから、「他のホームページや区分の申込み」で追加登録してください。・・・』
#Net Transportなどは度外視、asxやramが挟まっていれば「ストリーム形式」と見なされるようです。
◆録音方法など
―――「自分が主催している演奏会」(自宅録音を含む)は無問題です。
―――ホール主催等の場合、主催者の許諾が必要。また、録音作成者(ホールなど)の許諾も必要(著作隣接権)。
―――共演者がいる場合、もちろん共演者の許諾が必要。
今回、著作権法の専門家、商用ストリーミング配信業者、コンピュータ作曲家、音楽ホール事務局など、「そのスジの人達」に色々訊いてみましたが、案外問題点を整理してパシッと答えてくれる人はいませんでした。 「バッハを」「自宅で」録音した音源をアップロードすることさえ、ひょっとしたら何かの摘発の対象になるのでは無いか・・・、なんて、あらぬ疑念さえ湧いてくる始末。
とまれ、JASRACをことさらに憎悪したり畏怖したりする必要は無いでしょう。利用者には丁寧に回答してくれるそうですよ。
「どこの国に住んでいて、どこの国のサーヴァーを使って、どこの国からアップロードするか」云々の議論については、法学者によって多様な意見があるようです。