クセナキス《ケクロプス》日本初演 [2022/10/20 update]

クセナキス《ピアノ協奏曲第3番『ケクロプス』》（日本初演）　ツイート集まとめ

半龍半神のケクロプス王の壷絵

　　1996年7月新日本フィル定期におけるクセナキス：ピアノ協奏曲第1番《シナファイ Synaphaï - Συναφαί》（1969／ピアノと86奏者）、2001年6月出光賞授賞式コンサートにおける同：ピアノ協奏曲第2番《エリフソン Erikhthon - Ερίχθων》（1974／ピアノと88奏者、日本初演）に続き、東京フィル定期にてピアノ協奏曲第3番《ケクロプス Keqrops - Κέκροψ》(1986／ピアノと92奏者)を日本初演します。

東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会

https://www.tpo.or.jp/concert/2022season01.php

井上道義（指揮）　大井浩明（ピアノ）

●E. エルガー(1857-1934)／序曲『南国にて』Op.50 (1904)

●I. クセナキス(1922-2001)／ピアノ協奏曲第3番『ケクロプス』（1986、日本初演） ～クセナキス生誕100年

●D. ショスタコーヴィチ(1906-1975)／交響曲第1番 ヘ短調 Op.10 (1925)

2022年2月24（木）19時　東京オペラシティコンサートホール

　　https://www.tpo.or.jp/concert/20220224-01.php

2022年2月25日（金）19時　サントリーホール

　　https://www.tpo.or.jp/concert/20220225-01.php

2022年2月27日（日）15時　Bunkamura オーチャードホール

　　https://www.tpo.or.jp/concert/20220227-01.php

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Tokyo Philharmonic Orchestra - Subscription Concerts

https://www.tpo.or.jp/en/concert/2022season01-en.php

Michiyoshi Inoue, conductor　　Hiroaki Ooi, piano

Edward Elgar : Overture "In the South" Op.50 (1904)

Iannis Xenakis : "Keqrops - Κέκροψ" for piano and 92 musicians (1986, Japan Premiere)

Dmitry Shostakovich : Symphony No. 1 in F minor, Op.10 (1925)

19h Thu. 24th Feb. 2022 Tokyo Opera City Concert Hall

19h Fri. 25th Feb. 2022 Suntory Hall, Tokyo

15h Sun. 27th Feb. 2022 Orchard Hall, Tokyo

【動画／音源リンク】

●クセナキス：ピアノ協奏曲第1番《シナファイ Synaphaï - Συναφαί》（1969／ピアノと86奏者）

　(α) 井上道義指揮新日本フィル（1996年7月、ライヴ録音）

　(β) 井上道義指揮京都市交響楽団（1996年11月、ライヴ録音）（前半 ・後半）

　(γ) アルトゥーロ・タマヨ指揮ルクセンブルク・フィル（2002年3月録音）

●クセナキス：ピアノ協奏曲第2番《エリフソン Erikhthon - Ερίχθων》（1974／ピアノと88奏者）　アルトゥーロ・タマヨ指揮ルクセンブルク・フィル（2004年6月録音）

●クセナキス：ピアノ協奏曲第3番《ケクロプス Keqrops - Κέκροψ》(1986／ピアノと92奏者)　井上道義指揮東京フィル（2022年2月24日、日本初演ライヴ）

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●ＣＤ《シナファイ》　

　木下健一インタビュー（2002年5月7日、於ルクセンブルク）　

　木下健一エッセイ（仏語）　

　国内批評集　

　仏ディアパゾン誌評　

　ＣＤ《エリフソン》評ほか
●クセナキス《シナファイ》　作品概説等　[2005.09.29]
●同曲ライヴ映像についての雑記　[2007.08.01]
●クセナキス《エリフソン》と《ホアイ》の素材援用について　[2004.06.22]

■Portraits of Composers 第6回公演　クセナキス全鍵盤作品によるリサイタル（没後10周年記念） [2011.9.23]

　野々村禎彦氏寄稿「彼岸のクセナキス」＋曲目解説　[2022.01.29 update]

　コンサート感想集(Togetter)

　クセナキス初来日時のエッセイ《日本の閃光――1961》／年表「クセナキスと日本」 [2022.01.22 update]

●野々村禎彦監訳《形式化された音楽》（筑摩書房） [2017.9.25]

●野々村禎彦インタビュー　[2018.02.14]

　第１回「クセナキスの数学的理論と人間性のドグマ」

　第２回「日本現代音楽における同時代人と後継者」

　第３回「自分にとってクセナキスとは？そしてクセナキス・ザ・ベスト」

●クセナキス没後10周年記念 サラベール社「Oser Xenakis」寄稿　[2022.01.19 update]

【東フィル2月定期 特設ページ】

　●井上道義インタビュー（朝日新聞） [2022.01.20]

　●野々村禎彦「クセナキスの夢想が現実になるとき」 [2022.01.27]

　●E.アンテールによるクセナキスインタビュー（1986年12月） [2022.02.04]

　●池田卓夫（いけたく本舗®）氏による井上道義／大井浩明ダブルインタビュー　[2022.02.13]

　●曲目解説パンフレットpdf（全48頁、日本語＋英語） [2022.02.22]

　●井上道義ブログ「ジジイにはもうほんと大変。」[2022.02.24]　／「久しぶりの東フィル定期は複雑な出来事に囲まれていた。」[2022.02.27]

　●NHK-FM「ブラボー♪オーケストラ」放送　[2022.03.13]

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クセナキス日本未初演主要作リスト by 野々村 禎彦

【first 10】

Bohor (1962) tape

https://www.youtube.com/watch?v=DODVNHukY0I

Polla ta dhina (1962) child chorus & orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=gXN-pxVryBw

Akrata (1964-65) wind ensemble

https://www.youtube.com/watch?v=4VGd-aEVfJk

Terretektorh (1965-66) orchestra in audience

https://www.youtube.com/watch?v=UgqhVrUO1rc

Anaktoria (1969) 9 players

https://www.youtube.com/watch?v=nCc01NgACjY

Cendrees (1973) mixed chorus & orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=dYNMXTurMx8

N’Shima (1975) 2 mezzo soprano & 5 players

https://www.youtube.com/watch?v=KP1h8uGkq0g

La legend d’Eer (1977) tape

https://www.youtube.com/watch?v=onTQERZOEZ4

Alax (1985) 3-group ensembles

https://www.youtube.com/watch?v=S5FPOxqBAOM

Echange (1989) bass clarinet & ensemble

https://www.youtube.com/watch?v=NPfDLOZ5cTk

【next 10】

Medea (1967) mixed chorus & 5 players

https://www.youtube.com/watch?v=BpOxKF-FA80

Kraanerg (1968-69) ballet music for ensemble & tape

https://www.youtube.com/watch?v=DZc09iZOFHs&list=OLAK5uy_lJjo1MpbqOIk-ylp4Ar-ENLVkbitTvfOU（連続再生）

Antikhthon (1971) ballet music for orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=e0iCPDJti84

Phlegra (1975) 11 players （日本初演済み）

https://www.youtube.com/watch?v=MprfwqwIBvA

Ittidra (1996) string sextet
https://www.youtube.com/watch?v=iOwoDwSPriQ

Jonchaies (1977) orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=MZ5771zMOeE

Anemoessa (1979) mixed chorus & orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=ZH0ss-cIigk

Nequia (1981) mixed chorus & orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=NSkr33eVASg

Idmen (1985) mixed chorus & 6 percussionists

https://www.youtube.com/watch?v=CBRjjy-w_MY

Dox-Orkh (1991) violin & orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=ovYpmOCbdfE

Troorkh (1991) trombone & orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=HonX4NrO8FY

イアニス・クセナキス：京都賞受賞講演《我が道》(1997)

　https://www.kyotoprize.org/wp-content/uploads/2019/07/1997_C.pdf

【要旨】

（1）日本への賛辞 日本の都市、国民、伝統文化、現在の文化に対する賛辞

（2）問いかけのモザイク 私が芸術の道を選択するに至った経緯　－統一空間の階層化から見た説明－ 行動と知識をもたらす各基準の定義 芸術：部分的に推論的なもの 数学・自然科学：完全に推論的なもの 実験による実証を必要とする数学・自然科学と、実証不可能な美的価値を含む芸術の領域

（3）経歴 私の知的、芸術的発展における各段階 ギリシャの全寮制私立学校での子供時代 ギリシャの古典と天文学との出会い 　ギリシャ内戦 アテネ工科大学での勉学 第二次世界大戦 共産党入党と街頭デモ フランスへの亡命 建築家ル・コルビュジエとの共同作業

（4）ギリシャ音楽とヨーロッパの前衛音楽 伝統的なギリシャ音楽とヨーロッパの前衛音楽を融和させようという最初の作曲上の試み 全ての音楽を音のシグナル、メッセージとして理解すること

（5）推計音楽 「推計音楽」の構想と確率計算の作曲への応用（メタスタシス：1953～54年；ピソプラクタ：1954～55年） 直線的なポリフォニーの限界から脱出し、ミクロおよびマクロの作曲に、音群、および一般的な確率を取り入れ、また、発展させるため、組み合わせた計算法を開発したこと（アホリプシス：1956～57年） 最初のコンピュータ・プログラム「ST」の開発と実現（ST10：1956～62年）

（6）形成化された音楽 私が実践している作曲方法を理論化し、「形成化された音楽」として1963年に出版。1992年改訂・増販。 「時間内」と「時間外」の構造の区別 「時間」とは何か、「時間」の定義 群理論の発展（ノモス・アルファ：1956～66年）

（7）ポリトープ 1970年代における音楽と建築を融合させる新たな方法の開発（クリュニー等）

（8）樹枝状態 上記の関心事と平行して、しかし、それらとは無関係に発展した「樹枝状態」という新たな概念について（エリフソン：1974年）

（9）ユーピック 1970年代半ばから、数学自動音楽センター（CEMAMu）において開発したユーピック（UPIC）システムと、その後研究を続けたミクロサウンド合成について（ミケーネ・アルファ：1978年）その後の、ダイナミックな推計音楽合成のためのGENDYNプログラム開発

（10）ふるいの理論 1970年代後半、全音楽のパラメーターにおける音階の問題を解決するため編み出された「ふるいの理論」について（ジョンシェ：1977年、プレアデス：1978年）

（11）最近の心境 新しい理論を持たない現在の心境は、大いなる自由の境地であり、新たな独創性の始まりであること

Esquisse autobiographique – Iannis Xenakis 1980

"L'étoile Iannis Xenakis a rejoint sa galaxie" （Le Monde紙の追悼記事、2001年2月6日）

Iannis Xenakis, 1975